キヤノンとキヤノンマーケティングジャパンは2月6日、デジタルカメラ新製品を発表した。
カメラは、レンズ交換式カメラ5機種とコンパクトカメラ8機種の計13機種がラインアップ。これは、キヤノン史上最多となる発表数で、さらにビデオカメラ「iVIS HF R62」、新コンセプトの写真用ストレージ端末「Connect Station CS100」、世界最広角の超広角ズームレンズ「EF11-24mm F4L USM」も含め全16製品が披露された。
この背景には、デジタルカメラに重要なレンズや映像エンジン DIGIC 6などのコア技術が一定のレベルにそろったことにあるという。キヤノン 専務取締役 イメージコミュニケーション事業本部長の真栄田雅也氏は「技術が一段と進化したこのタイミングでラインアップ強化しようというもの。例えば、写真や動画を撮った後のプロセスも提案するためにConnect Station CS100を投入した」と説明した。
なお、これらの製品は2月12日午後からスタートする日本最大のカメラと映像の展示会CP+2015のキヤノンブースで触れられる。
一眼レフEOSに新エントリーモデルも--キヤノン、2420万画素「Kiss X8i」「8000D」「市場はシュリンクしていると言われるが、カンフル剤となるのは魅力ある商品そのものだと考える」と真栄田氏は自信を見せる。
レンズ交換式のデジタルカメラ市場動向は、2013年に消費増税前の駆け込み需要で伸び、233万台に達したものの、2014年は再び181万台にとどまった。しかし、2015年には再び拡大し、200万台になると予測する。
その理由は消費者の購入意向が高いからだという。同社によれば、デジタル一眼レフカメラの購入移行率は、17.5%で、すでに保有している9.7%よりも多く、市場の拡大が期待できると見る。
また、実際に2014年11月に発売した新製品「7D Mark II」は好調に推移しているという。
キヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長の川崎正己氏は、「増税の影響に悩まされた2014年だが、20万以上の高額モデルにもかかわらず発売前の予約数は過去最高で、初代7Dの3倍。ジャンル別に作成した7種のカタログやジャンル別のイベントなどが功を奏した。魅力的なカメラを発売し、さらに伸ばしていきたい」と説明した。
一方で、コンパクトカメラ市場は、台数ベースでは年々減っている。2011年の804万台と比較すると、2014年は398万台と半分以下まで落ち込んでいる。キヤノンでは、2015年も減少傾向にあり、350万台を予測する。
一方で、平均単価で見ると高倍率ズームや高級モデルなどが好調で、2011年の1万3085円から1万3098円へと上向いており、2015年は1万3714円を見込む。
キヤノンの調査では、G7Xの投入により高級モデルは対前年比107%、光学30倍ズームを搭載したSX700HSなどを中心とした高倍率モデルは対前年比106%、スタンダードモデルは対前年比59%となっている。
「いい写真を撮りたいニーズは高い」(川崎氏)とし、引き続きコンパクトカメラは高級モデルや高倍率モデルを中心に据え、ミラーレス、一眼レフカメラなど幅広いラインアップで市場を活性化させるとした。“EOS☆ALL STARS 2015”をキャッチとし、エントリーからミドル、プロ向けまで幅広いラインアップを持つのがキヤノンの特長だ。
なお、発売時期は明らかにしなかったが、PowerShot Gのプレミアムシリーズ第3弾として「PowerShot G3X」を予定していることを明らかにした。1.0型のセンサと、24-600mmの光学25倍ズームレンズを搭載するという。参考出品として、CP+のキヤノンブースで展示される。
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