ディー・エヌ・エー(DeNA)は2月5日、2015年3月期第3四半期(4~12月)の決算を発表した。売上高は1062億7500万円(前年同期比24.9%減)、営業利益は201億4700万円(同53.7%減)、純利益は133億1400万円(同50.8%減)となった。
四半期ベースで見ると、増収増益となった第2四半期から、売上収益344億円(前四半期比4%減)、営業利益52億円(同35%減)と減収減益に。この主要因は野球のシーズンオフによるものであり、ゲームやエンタメ分野のサービスである主力のソーシャルメディア事業は、売上収益が前四半期比5%増となる290億円で増収となっている。
この日行われた決算説明会で、DeNA代表取締役社長の守安功氏は「ゲーム事業については、1年前に比べるとどこまで下がるのかわからないという状況ではなく、だいぶ見通しが立つようになった。仕掛けていけば、上向きに伸ばせる」と、反転に向けた手応えを語った。
こと国内のゲーム事業においては、減少傾向が続いていたコイン消費が第2四半期の365億円から378億円で増加に転じた。また営業利益は3四半期がおおむね横ばいで推移している状態。海外ゲーム事業では中国でコイン消費が増加したものの欧米では減少し、海外全体では前四半期より微減になったという。
国内のコイン消費について、既存タイトルのコイン消費が減少していくなか、2013年度からアプリに注力していく方針をかかげて展開。そのなかでも2014年9月から配信した「ファイナルファンタジーレコードキーパー」が500万ダウンロードを突破するなどヒットタイトルが生まれはじめ、経年による減少分をカバーしコイン消費の積み上げができつつあると説明。
ファイナルファンタジーレコードキーパーについては、国内でのさらなる大型タイトル化に向けてアップデートやライトユーザーへのアプローチを行うとともに、欧米市場向けにも展開すべく開発を進めているという。また自社オリジナルタイトルとして、10タイトルを本開発として進行中。そのなかでも期待のタイトルと呼べるものを2015年春リリース予定としている。ほかにもIPタイトルを複数、来年度の上半期に向けて仕込んでいるという。
市場が成長を続けている中国のモバイルゲーム展開について、有力なIPタイトルを中心に継続して投入していくという。特に、1月28日からONE PIECEのスマホゲーム「航海王 啓航」の出だしが好調であることから、第4四半期には広告宣伝費をかけて売り上げの最大化を図っていくとした。
ゲーム以外の事業では、マンガ雑誌アプリ「マンガボックス」が12月に700万ダウンロードを突破して好調。仮想ライブ空間「SHOWROOM」もパフォーマー、ユーザー双方のアクティビティが右肩上がりで好循環としている。またヘルスケア事業については、新たに健康レコメンデーションメディア「ケンコム」も4月から展開するほか、キュレーションプラットフォーム事業では食のキュレーション「CAFY」を2014年12月からから展開。キュレーションメディアも急速に拡大していることから、新しいメディアを含めて展開したいとしている。
第4四半期の業績見通しとして売上高は363億円、営業利益は47億円で増収減益を想定。航海王 啓航をはじめとした中国の新規タイトルを売り上げに織り込む一方で、中国を中心とした海外向け新規タイトルの立ち上げに向けた広告費や先行投資も増加することが、増収減益の見通し理由としている。
なお、2015年3月期通期の連結業績予想として、売上収益が前期比21%減の1426億円、営業利益は同53.4%減の248億円、当期利益は同54.4%減の144億円と、大幅な減収減益を見込む。
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