Alexandra Chong氏は、極めて有名で、論争も呼んでいるアプリ「Lulu」を作った会社の共同創業者だ。同氏は、女性のためにオンラインで作ろうとしているネットワークについて、米TechRepublicに話してくれた。
あるバレンタインデーの翌日、Chong氏は約20人の女性と一緒にブランチに出かけた。同氏が知っていたのはその中の5人か6人だけだったが、半日後にはほかの女性たちとも親しくなり、多くの新しいことを学んだ。Chong氏はスマートフォンにメモを取り、その後詳細についても情報交換した。
もちろん、バレンタインデーの翌日だったこともあって、話題の多くは男性のことやデートのことであり、彼女らが何を好きで、何を嫌いかといった話だった。
「私はそれがとても充実した機会だったことに気がつき、多くの女性に充実した経験を持ってもらい、定期的に学んでほしいと思った」とChong氏は言う。
そのような経験を生み出すために、同氏はLuluと呼ばれるアプリを作った。これは女性ユーザーが匿名で、どのような立場であるかに関わらず、実際に知っている男性について話すためのものだった。これは女性のためのプライベートなネットワークで、ユーザーはFacebookアカウントでサインアップする。そして、友人や、ボーイフレンド、恋人の男性をクイズ形式で評価し、「ObsessedWithHisMom(ママのことで頭がいっぱい)」「GoneByMorning(朝にはサヨナラ)」「FriendZone(いい人止まり)」などのハッシュタグコメントを付ける。
プロトタイプの作成にはしばらくかかった。Chong氏がLuluを作り始めたのは2011年だったが、製品が実際にリリースされたのは2013年だった。Chong氏にはエンジニアやプログラマーとしての経験はなかったため、そのプロセスは大きな経験だったという。もっとも難しかったのは、単なるアイデアから、人が使って理解してくれるものを、いかに生み出すかということだった。
「私が一番やりたかったのは、女性が自分たちの空間を持ち、自分たちだけのプラットフォームを作ってもいいのだと証明することだ。全体的には、製品ではなく男性をレビューすることで、そのことに成功したと思っている」と同氏は述べた。「男性は人間なので、難しいこともあった。それが目標の達成を困難にした」(Chong氏)
Chong氏と共同創業者であるAlison Schwartz氏は、アプリのコンテンツを作成するために喜劇作家を雇い、このアプローチが明るく楽しいものになるよう心配りをした。Luluはフロリダにある女子学生社交クラブからスタートし、米国中の女子学生社交クラブに広がって、大きなユーザーを抱えるサイトになった。Chong氏によれば、Luluは「ひとりでに軌道に乗った」という。
このアプリがリリースされると、大きな話題になった。もちろん、男性にとっての最悪の悪夢に見えたからだ。
Chong氏によれば、多くの男性は内容について疑心暗鬼になり、自分たちが今までにしてきた悪いことを考えたのだという。このネットワークからは男性は閉め出されていたため、彼らは何が書かれているか分からなかった。このアプリは物議を醸したが、Chong氏は驚かなかった。多くの人はこのアプリを好きになるか、嫌いになるかのどちらかで、中間はあまりいなかったと同氏は言う。しかし、否定的なフィードバックが多かったのは、Chong氏が作ろうとしていたものを、多くの人が理解していなかったからだ。同氏が作ろうとしていたのは、女性が力を与えられていると感じられるオンラインコミュニティであり、インターネットではそういうものはあまり見つからない。
当初は、このアプリに対する男性のコントロールは限定的だった。しかし2014年になって、Luluにはひっそりとある機能が追加され、男性が希望する場合、オプトアウトが可能になった。
Chong氏はLuluで実現したいものについて、明確なビジョンを持っている。Chong氏によれば、同氏はチームの舵取りをしているが、一緒に働いている人たちは挑戦的で、創造性にあふれ、聡明であり、これまでのところは、それらの才能を後押しし、育てることが成功の鍵だったという。
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