パナソニックは2月3日、2015年3月期第3四半期(2014年10~12月)の連結業績を発表した。為替の影響を受け、実質減収となったが、重点事業と位置づける車載、住宅関連が堅調に推移し、営業利益は前年並みの1133億円を確保した。
売上高は前年同期比1%増の1兆9964億円、営業利益は同3%減の1133億円、税引前利益は同14%減の862億円、当期純利益は同19%減の595億円となった。第3四半期累計(4~12月)では、売上高同1%増の5兆7193億円、営業利益は同10%増の2903億円、税引前利益は同32%減の2081億円、当期純利益は同42%減の1404億円になる。
パナソニック代表取締役専務の河井英明氏は「営業利益は課題だった液晶パネル事業が黒字化するなど、課題事業の改善が進んだ。2013年度から2014年度にかけて、改善は大きく進んでおり、あともう一息といったところ。その中で次の策に取り組んでいく」と、構造改革が進んでいることを強調した。
売上高は日本、中国の売り上げ減により減収となったが、欧米やアジアでは売り上げ増を実現。欧米では車載関連、アジアではエアコンなどのアプライアンスが堅調に推移した。
一方、営業利益はアプライアンスで減益となった。これはヘルスケア事業譲渡の影響が含まれているとのこと。加えてテレビ事業の価格競争が激化したためとしている。
テレビ事業においては、売上高で前年同期比7%減の1486億円、営業利益で54億円の減益となった。「10月には4Kの新製品を投入したが、急激な価格下落の影響を受けた。今後も厳しい市場環境が続くと認識しており、一層の収益改善に取り組む」と現状を話した。
液晶パネル事業を持つオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)分野は、売上高が7009億円、営業利益が281億円の増収増益を記録。車載関連、電子部品実装機の好調が増収の要因で、液晶パネル事業においても「業務用、外販向けが堅調に推移しており、黒字転換している。第4四半期でもこの傾向は進むと考えている」とした。
以前、課題事業の1つとして挙げられていたデジタルカメラは「台数は絞り気味だが、ミラーレスや高級コンパクトタイプなどいわゆる高付加価値モデルに特化したことが良かった」と黒字化していることを明らかにした。また、円安の影響について問われると「パナソニック全体で見ると為替は円安のほうがメリットがある」とした。
2015年3月期通期での連結業績予想は、売上高7兆7500億円、営業利益は3500億円、税引前利益は1600億円、当期純利益は1750億円と、前回の数値をそのまま据え置いている。
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