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KDDI∞Labo

迷走、仲違いを乗り越えた「Sakaseru」--KDDI∞Labo第7期の3カ月間 - (page 2)

井指啓吾 (編集部)2015年02月09日 09時00分
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西山氏:僕は途中で、自分が何をやりたいのかわからなくなるくらい迷走しました。毎回アドバイスしていただくことが、刺激的過ぎた。アドバイスのすべてに納得してしまった。

小尾氏:結局、毎週もらう意見というのは、間違っていないんですよね。ただ、一番最初に考えていた「自分が何をしたいのか」を、色々な人たちからアドバイスをもらう内に忘れてしまうんです。

――伊藤氏はそういう状況を見ていてどう感じたか。

伊藤氏:難しいのは、彼らと共に走りながら、大所高所からアドバイスをしなければならないこと。その両方を求められるわけです。そしてそれを続けていると、一緒に迷走するんですよね。

 次第に2人が(目指す方向の違いなどから)険悪になっていくわけです。特にこのチームは役割を分担していて、花の部分は西山さんが、仕組みの部分は小尾さんがやっていた。だから話さなくても仕事ができてしまって、どんどん険悪になっていく。迷走して険悪になって、そのまま時間が経ってしまうとやばいなと感じました。

 メンターは少し離れたところにいるので、「いつ言うかな」と楽しみに見ていたこともありましたが(笑)、ある時に「で、どうすんだっけ?」と声を掛けた。そういうことをするのは僕自身も勉強になりました。

小尾氏:それはサービスだけではなくて、今後、2人で会社を本気で運営するとなった時に必ず訪れる壁だと考えています。それがこのプログラムのおかげで早めに経験できて、さらに伊藤さんがアドバイスをしてくれたことは非常に大きかったです。

――3カ月間、メンターに時間を費やしていた伊藤氏は、本業は大丈夫だったか。

伊藤氏:「想定外に大変」というのが正直なところ。最初はやる気だけで入っていきましたが、コミットするとなると、僕が持っている全時間の20%以上は絶対に割かれているわけです。ただ、僕自身は最初から時間とエネルギーを割いてメンターをやると決めていたので、純粋に楽しかったです(笑)。

――迷走したのはどれくらいの時期か。

  • 西山祐介氏

西山氏:僕は2カ月間……かなり長かったです(笑)。正直、僕はただの花屋で、40手前という年齢で、カルチャーショックがありました。これまでオフラインで仕事をしてきたので、テック系の用語がわからないし、時間軸などもなんとなく違う感じがしていて。気付くと、自分が代表であるにも関わらず、チームに付いていくのがやっと、という状況でした。

――なぜ険悪になったのか。

小尾氏:今の話にも出ましたが、仕事を進める時間軸やスピード感、僕が求めるクオリティと、西山が求めるクオリティがかなり乖離していたこと。たとえばプレゼン資料とか、アプリの見た目とか、サービスの内容とか。その乖離を埋める過程で、どんどん険悪になっていったというのが一番の理由です。

 伊藤さんから「こういう風にやったほうがいい」とアドバイスをいただいても、すぐには実行に移せませんでした。ただ、そこであきらめてしまったら、このプログラムに参加する前と何も変わらない。この課題が解決できないのならば、3カ月が経っても、までと同じままだと思い、2人で話をするようになりました。

――伊藤氏がいなければ危なかったと。

小尾氏:そうですね。2人で負のスパイラルに入っていたので、抜け道がどこなのかわからない状況でした。冷静に見たらすぐにわかったのかもしれませんが、2人だとそれが全然見つからなくて。その時に伊藤さんからいただいた一言というのは、1つの光のようでした。

――その一言とは。

小尾氏:方法論のようなもので、「どちらかがリーダーシップをとって、その世界観でSakaseruというアプリを作りなさい」というものでした。それを受けて西山に「僕が世界観を作るから、そのアシスタントをやって」と伝えました。

 それも最初はうまくいかず……。今度は「アシスタント、サポートをするというのがどういうことなのか」の考え方で認識が違っていて、2人で話し合いながら取り組んできました。

――KDDI ∞ Laboに参加して、心から良かったと思えることは。

小尾氏:僕は3点あります。1点目は先ほどと重複しますが、自分のサービスや考えを人に伝える部分を伊藤さんから教われたこと。

  • 小尾龍太郎氏

 2点目は、普通に生きていたら接することができない人――たとえば、DOKI DOKIの井口尊仁さんや、nanapiのけんすう(古川健介)さん――の生の声を聞けたり、直接質問できる機会を得られたということですね。

 3点目は、Sakaseruを作るにあたり、毎週プレゼンをしたこと。今までは2つの脳みそしかありませんでしたが、周りのチームが真剣にサービスの内容を考えてくれて、そこには20人の脳みそがあるわけですよね。そうしてサービスがどんどんブラッシュアップされていった部分。その3点が非常に勉強になりました。

西山氏:僕は、最初の頃のことはもう覚えてないんですよね(笑)。このプログラムに参加したこと自体が、僕の人生においてものすごく大きなことです。

 13年間、花屋をやっていて、それだけで適当にごはんを食べることができていた。そんなことから小さなプライドがいつのまにか積もってしまっていて、それを毎週のプレゼンで1つずつ剥がされていく……そんな経験は、こういうところでしかできない。

 KDDI ∞ Laboに入って、自分の既存の事業が俯瞰的に見られるようにもなりました。とにかく参加できたことが大きいです。

伊藤氏:あともう一点、彼らはパートナー連合15社の全社と個別に会って、作っているサービスを、各企業で展開するなら何ができるのか聞くことができる。そしてアドバイスを受けるとともに、企業が具体的なアクションを起こしてくれることもある。プログラムそのものの魅力もあるが、個別のネットワークを利用できることも大きい。

――今後の目標は。

小尾氏:Sakaseruを多くの人に使ってもらえるように、より多くのフラワーアーティストに参加してもらいます。また、もともとプログラムに参加した理由の1つとして、「花業界をより良くしたい」との考えがあります。日本の花業界をより元気にします。それが長期的な目標です。

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