中国でGoogleの「Gmail」サービスへのアクセスがブロックされてからわずか数週間後の先週末、Microsoftの「Outlook」電子メールサービスがサイバー攻撃の被害に遭った。
中国のインターネット検閲を監視するGreatfire.orgは現地時間1月19日、Outlookが中国で中間者(MITM)攻撃の被害に遭っているとの報告を受けたと述べた。MITM攻撃は、オンライン接続に侵入してチャネルを監視および制御する攻撃のことで、ほかの領域への接続を強制するのに使われることもある。例えば、ユーザーを正規のウェブサイトではなく、悪質なウェブサイトに誘導する場合などだ。
テストの結果、OutlookのIMAPとSMTPがMITM攻撃を受けたが、同電子メールサービスのウェブインターフェースには影響はなかったことが分かった、とGreatfireは述べている。
Greatfireが「特に悪質」と評した今回の攻撃は、Outlookに警告メッセージをポップアップ表示する。ブラウザに表示される警告の場合と異なり、ユーザーはメッセージに実際に目を通したり、リスク要素を考えたりすることなく、メッセージの「Continue」(続ける)ボタンをすぐにクリックしてしまう可能性が高い。おそらく、警告の原因をネットワークの問題と考えるため、心配する必要はないと判断してしまうのだろう。
そのボタンをクリックすると、ユーザーの電子メールと連絡先、パスワードがサイバー攻撃者によって記録されてしまう。
Greatfireによると、今回の攻撃は約1日続いたが、その後、少なくとも現在のところは停止しているという。
先頃、中国でGoogleとYahoo、Appleに対するMITM攻撃が発生したと報じられたが、今回のMicrosoftシステムへのサイバー攻撃はそれに続くものだ。厳格な検閲法で有名な中国でGmailへのアクセスがブロックされたのは、ほんの数週間前のことだ。
報道されたほかのMITM攻撃とさまざまな共通点があることから、Greatfireは、Lu Wei氏とCyberspace Administration of China(CAC)が今回の攻撃を画策した、または「攻撃をあえて放置した」と非難した。
China Internet Network Information Center(CNNIC)はCACが直接管理する組織なので、ソフトウェアプロバイダーは同組織を信頼すべきではなく、当該企業は即座にCNNIC認証局への信頼を取り消すべきだ、とGreatfireは考えている。
中国ではこの数年間、外国のサービスへのアクセスがブロックされる事例が増えている。「万里のファイアウォール」(Great Firewall of China)の狙いは、中国共産党を批判する言論の自由を求めるすべての人間を遮断することである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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