Uberは、欧州における事業拡大計画を推進しようとしている。
人気の配車サービスUberは米国時間1月18日、欧州で5万人の新規雇用を創出するとともに、欧州の路上を走る車を40万台削減する意向など新たな戦略について語った。
同社は、欧州各都市の政府と協力し、「UberPOOL」サービスの提供地域を拡大しようと取り組み、この目標を達成するとしている。UberPOOLは、同じ方向へ行きたい利用者が複数いる場合に、その利用者らを同じ車に相乗りさせるサービスだ。Uberは各都市に対し、運輸業の従事者数の上限を撤廃し、運転手への免許交付プロセスを迅速化することも求めている。
さらに、Uberは欧州各国の租税当局と協力し、都市が運輸業者から適正な税収を得る手助けをしたいとも述べている。現在、運輸業での決済は現金が主流で、正しく税申告がされないことが多いからだ。
Uberの最高経営責任者(CEO)であるTravis Kalanick氏は、ミュンヘンで行われたDigital-Life-Design(DLD)会議において、「2015年は、われわれが欧州の諸都市と新たなパートナーシップを築く年としたいと考えている」と語った。
この新戦略によって、Uberはこれまでより協力的なアプローチを採ることになる。同社は、事業を米国外へ積極的に拡大しようとする中で、世界各国の規制当局から反発を受けてきた。2014年12月には、12億ドルの新規資金調達を発表し、企業評価額が400億ドルを上回る勢いを示す一方で、スペインのマドリードで裁判所から業務停止の命令を受けている。スペインのみならず、同社は米国各地に加えて、ドイツ、フランス、オランダ、インド、タイ、英国、中国、韓国でも、規制当局と衝突してきた。
Uberは何かと論争を巻き起こすことが多い。2014年11月には、幹部の1人が批判的なジャーナリストを組織的に中傷する工作を示唆したと報じられ、メディアの激しい批判の矢面に立たされた。また、吹雪などの自然災害時に値上りする料金システム(配車の需要が多い時には料金を割り増しする)が、非難を浴びたこともある。
同社は2014年12月、新たな地域での開業に向けた準備を整えながら、これまでの誤りの一部を直すために社内で改善を試みると述べた。現在、Uberは50カ国の250を超える都市で事業を展開している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス