グーグル、モバイル決済のSoftcardと買収協議中か

Richard Nieva (CNET News) 翻訳校正: 編集部2015年01月19日 07時43分

 インターネット大手Googleが、モバイル決済でのAppleとの競争に向けて準備を進めている可能性がある。

 TechCrunchThe Wall Street Journalの記事によると、同社はSoftcardを買収する方向で協議中だという。Softcardは、通信事業者AT&T、Verizon、T-Mobileが共同出資して設立した、携帯端末による決済を扱う企業。Softcardの買収金額は1億ドル未満とされている。


Googleは、モバイル決済事業をさらに推し進めようとしているのかもしれない。
提供:Marguerite Reardon/CNET

 買収の可能性について、GoogleとSoftcardはともにコメントを避けた。

 この買収が事実であれば、モバイル決済の競争に参入しようとするGoogleによるさらに積極的な動きとなる。モバイル決済は、製品やサービスの販売という当初の目的を越えて事業を拡大し、収益性の高い金融業界に参入したいと考えるシリコンバレー企業がこぞって目をつける分野となっている。

 最も成功している決済サービス会社の1社であるPayPalは、2002年にeBayに15億ドルで買収された。それ以来、AmazonやFacebookから新興企業のSquareにいたるまで大小の企業が、特にウェブ上での決済に対する主要なサービスとしての座を獲得しようと取り組んでいる。

 2014年10月には、Appleまでもが「Apple Pay」というサービスを導入した。提供開始から72時間足らずで、100万枚のクレジットカードが同サービスで使用された。

 AppleやGoogleなど大手IT企業が決済事業に投資するのには、十分な根拠がある。Forrester Researchによると、モバイル決済サービスを利用する消費者の購入金額は、2014年の520億ドルから、2019年までに1420億ドルに達する見込みだという。

プラスチック製カードからデジタル情報まで

 Googleは、「Wallet」というサービスでモバイル決済を早期に提供したが、同サービスは利用者を確保することができなかった。

 無線通信事業者らは、エジプト神話の女神にちなんで名づけられた「Isis」という独自サービスでこれに対抗した。しかし2014年、過激派組織「Islamic State of Iraq and Syria」(イラクとシリアのイスラム国)に対して同じ略称が使われ始めたことから、同社は社名を「Softcard」に変更した。

 同サービスはまだ、利用者を十分に確保できずにいる。同社は先頃、組織構造の統合に伴って60人以上を解雇したとされている。Softcardは、コスト削減と事業強化に向けて対策を講じていると述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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