Zaimは1月16日、オンライン家計簿アプリ「Zaim(ザイム)」の記録や条件から合致する可能性のある給付金や控除を自動抽出するツールを公開した。基本無料で利用できるが、一部の機能はプレミアム会員向けとなる。
Zaimはスマートフォンで家計簿がつけられるアプリ。カメラで撮影したレシートの品目や金額情報を読み取って自動で入力してくれる。約1500の金融機関の入出金記録を自動取得してくれるほか、円グラフや棒グラフで家計簿を分析できる。ユーザーの男女比は女性6割、男性4割で、主婦よりも会社員などの利用が多いという。
同社の代表取締役である閑歳孝子氏は以前、ただの家計簿ではなく「未来のお金の使い方を提案するアプリ」を目指してZaimを運営していると語っていた。2014年には過去の支出データから、ひと月あたりの「増税予想額」を表示するキャンペーンサイトを開設したが、今回のツールもその一環になるという。
新たに提供するのは、国や地方自治体の給付金情報を集約・抽出するツール「わたしの給付金」。ユーザーのプロフィールや家計の状況から受けられる可能性がある給付金を自動で抽出してくれる。これにより受給対象の給付金を受けられないといった機械損失を防げるようになる。まずは東京23区、横浜市、川崎市の892種類の給付金から開始し、2月以降は県庁所在地を中心に全国展開する。
家計簿の情報から、医療費控除の受給可否や申請書類を自動生成するツール「わたしの医療費控除」も提供する。通常は、国税庁が運営するウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」から必要事項を記入して申告書類をPDFで出力し、印刷して提出する必要がある。Zaimは医療費控除用の書類として、その中の「医療費集計フォーム」を自動的に生成する機能を追加。申告書類を準備する手間を大幅に削減できるとしている。
閑歳氏によれば、2014年に開催したイベントなどを通じて、「お金に関する基礎的な知識が不足して本当に困っている人が多く、そんな方々の行動を変えるサービス設計にしたい」(同氏)と感じたという。その中で、確定申告で申告する人が多いと言われる医療費控除を機能として組み込めないかと考え、ツールの開発に至ったそうだ。
また、調査をする過程で、医療費のほかに申請できるものを調べたところ、自治体ごとに取り組みがバラバラで、自身の住んでいる地域でどのような給付金があるのか探しづらい、見つけられないという課題に気づいた。さらに、市議会議員と話す機会があった際に、地方自治体も制度をもっと活用してほしいと感じていることが分かったことから、給付金の自動抽出機能の提供を決めたのだという。
Zaimでは、2014年は家計簿としての「記録する」「振り返る」という部分を作りこんできた。2015年はさらに先を見据えた、広い意味での“家計サービス”を展開するため、個々人の行動や判断を変えられるようなツールをいくつか提供していきたいとしている。
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