(編集部注:米CNETによるサムスン「Gear S」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開しています。前編は12月25日に公開されています)
スマートフォンアプリを起動して、ストアでこのウォッチ用のアプリを見ると、「インセプション」のような気分を感じる。Googleの「Android Wear」では、アプリをスマートフォンとスマートウォッチの両方にロードできるようにすることで混乱を防いでいるが、「Gear S」は独自のストアを必要とする。基本的にアプリがすべて無料である「Pebble」とは違い、Gearアプリには無料のものばかりではなく、1ドルから3ドルの値段が付いているものもある。
実際にアプリのリストを見ると、その数こそ多いものの、ユーザーが知っているものや使いたいと思うものはあまりないかもしれない。ゲーム、カメラのリモコンアプリ、時計の文字盤、たくさんのノベルティアプリなどが並んでいるが、「Twitter」や「Facebook」のアプリもなく、スポーツ試合の得点通知アプリもなく、知名度の高い旅行用アプリもない。Gearアプリストアで「Finance」のカテゴリを見ても、あるのは計算機アプリ、ローン計算機、通貨換算アプリなどだけだ。「Fitness」の下には「Runtastic」はあったが、ほかには筆者が知っているアプリはなかった。無名のアプリばかり数多くあり、しかも有料のフィットネスアプリが少なくなかった。「Social Networking」には「SOS Emergency」アプリ、スマートフォンカメラのリモコン、ゲームの「Tilt 2048」があったが、筆者が使ったことのあるSNSのアプリは1つもなかった。
もっとも質のよいGearアプリは、たとえばサムスンの音楽ストリ―ミングアプリである「Milk Music」や、「Nike+」、ニュースリーダーアプリなど、プレインストールされているものだろう。
サムスンがGearシリーズを優れたスマートウォッチにしたいのであれば、もっとよいアプリをそろえるか、「Android」スマートフォンに流動的に接続してその機能を利用できるようにする必要があるだろう。現在はそのどちらもない。そして、Gearアプリの品ぞろえは当面改善されそうにない。
Gear Sには一連のフィットネスアプリが最初から入っており、これらは従来のGearシリーズのデバイスで利用できたものよりも改善されている。ダッシュボードには、歩いた歩数や心拍数、昨晩の睡眠時間に加え、紫外線被爆データまでも表示される。このウォッチには「Microsoft Band」と同じく紫外線センサが搭載されているが、日光を計測するには手動で操作する必要がある。
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