サムスンのOLEDディスプレイは例によって、驚くほど明るく、カラフルであり、アンビエントモードにおける時刻やその他の通知は穏やかな輝度で表示される。ただ、画面のピクセル数が増えているため、既存のGearアプリをGear S上で実行すると額縁内にこぢんまり表示されたり、拡大表示される場合もある。なお、大画面に対応しているアプリはディスプレイ全体を使うように最適化されている。
操作用のスペースは十分にある。このためスワイプや、2本指によるピンチやズームですら今までとは違った感覚にとらわれる。大型の曲面ディスプレイによって縦方向のスクロールが容易になったとはいえ、多くのアプリでは何度も指を動かす必要があり、Gear Sのインターフェース自体がそれだけのスペースを有効利用できているようでもなさそうだった。しかし、コンテンツ全体を読むうえで十分とも言える広大なスペースは実用的だ。例えば、筆者お気に入りのアプリ「News Briefing」ではGear S上にブログの見出しが表示され、フリックするとその内容を読み進められるようになっている。筆者は、携帯電話を取り出さなくても済むこのアプリを時々使っていた。
そのエクスペリエンスはとてもクールであるため、この特大ディスプレイのメリットを生かした多くのアプリが登場してほしいと願っている。しかし残念ながら、そういったアプリはGearのアプリストアにもまだわずかしかない。
Gear S上で動作する「Opera」ブラウザのような本格的なアプリでは、QWERTYキーボードをポップアップ表示させるか、音声認識機能を用いてテキスト入力ができる。ポップアップ表示されるキーボードは使いやすいとは言い難い。小さな画面は見づらく、指1本での入力は難しい。一方、音声入力はAndroid Wearのものほどではないが、従来のGearシリーズの「S Voice」よりは良くできている。
中央のボタンを長押しするか、キーボード上のマイクアイコンを押すことで音声認識機能が起動する。筆者の言葉はおおむね理解されたが、それでもGear Sを使ってテキストや長いメッセージを入力するのは苦痛であった。なお、サードパーティーのキーボードをインストールできるようにしたり、その他の入力オプションを用意するという計画はなさそうだ。
Gear Sをスタンドアロン機器として使うには携帯電話/データ通信サービスの契約を結ぶ必要があるが、それに見合うだけの価値はある。Gear SにはBluetooth 4.1と802.11 b/g/n、マルチバンドの携帯電波を使った通信機能(4G LTEではなく3G)が搭載されている。また、Gear Sを永続的にサムスンの携帯電話とペアリングしてアクセサリとして使用したり(Android Wear製品を思い浮かべてほしい)、完全に切り離してGear Sを何とも連携させずに用いることもできる。
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