米連邦捜査局(FBI)は米国時間12月19日、北朝鮮がSony Picturesに対するサイバー攻撃に関与していたと述べた。
「捜査の結果、そして、米各省庁との緊密な連携のもと、FBIは、これら攻撃の責任が北朝鮮政府にあるとの結論にいたる、十分な情報を得た」とFBIは19日、声明で述べた。
Sony Picturesのコンピュータネットワークへの侵入に使われた攻撃用ソフトウェアの種類に基づいて、北朝鮮が関与しているとの結論に至った。マルウェアとして知られるこれらの悪意あるプログラムは、北朝鮮が過去に使用したことで知られているものの一部であると、FBIは説明している。
また、同マルウェアは、北朝鮮が以前使用したインターネットアドレスを示すコードを含んでいた。また、FBIは、Sony Pictures攻撃に使われたツールが北朝鮮による韓国の銀行および報道機関に対する攻撃に使われていたものと類似していることも挙げている。
Obama米大統領は19日、米国がSony Picturesへのサイバー攻撃に関して「相応の対応」を北朝鮮にとることを述べた。「彼らによって多くの被害がもたらされた」とObama大統領は1年を締めくくる記者会見で述べた。同大統領は、対応の内容について具体的に述べることは避け、「われわれが選ぶ場所と時期」に起こるだろうと言うにとどめた。
Sony Picturesのネットワークへの侵害は、自らを「Guardians of Peace」(平和の守護者)と名乗るグループが実行したことを明らかにしている。最初の攻撃が明らかになったのは11月24日で、同グループはその後、財務文書、未公開作品、従業員や著名人に関する機密情報などを公開している。同グループはまた、Sony Picturesにあるコンピュータの多くを遠隔から破壊し、同社システムを使用できなくしている。
北朝鮮は7日、関与の疑いを否定していたが、今回のハッキングに対する支持を表明していた。
「Sony Picturesへのハッキングは、北朝鮮を支持、または、賛同する人々の正義に基づく行為だったのかもしれない」と北朝鮮の広報官は述べていた。
同グループは、動機に関してSony Picturesのコメディー映画「The Interview」にあることを明らかにしている。同作品は、北朝鮮の金正恩第1書記暗殺をストーリーの中心に据えている。北朝鮮政府関係者は、同作品に対する強い不快感をホワイトハウスに伝えている。
Obama大統領は19日の記者会見で、Sony Picturesが同作品の公開を見合わせるという判断を下したことは誤りだと述べた。
「われわれは、ある国のある独裁者がここ米国で検閲を開始できる社会を許容するわけにはいかない」と同大統領は述べた。「もし、風刺映画の公開を見合わせるよう脅すことができるなら、自分たちが気に入らないドキュメンタリーや自分たちの気に入らないニュース報道に対してどのような行為を始めるか想像してみてもらいたい」(Obama大統領)
Obama大統領は、サイバーセキュリティ問題について、米政府が映画業界や民間企業と協力を続けると述べた。同大統領は、企業に対し、さらなる侵害の発生を予期するとともに、ハッキングによって自らの事業を変更しないよう呼びかけた。
Sony Picturesは19日遅く、25日の公開を取り止めて「リリース計画はない」と述べていた「The Interview」について、態度を一変させ、公開に関する他のオプションを探ると述べた。
「25日の『The Interview』劇場公開を見合わせるという決定は、米国の劇場主の大半が同作品を上映しないという結果を受けたものだった。劇場がないことには、作品をクリスマスに劇場公開できない。選択の余地がなかった」とSony Picturesは19日に声明で述べた。「この決定後、われわれは、他のプラットフォームで作品を公開することを可能にする代替手法を積極的にすぐさま探り始めた。この作品を見たいと思う人たちがその機会を得られるようにするのが、依然としてわれわれの希望である」(Sony Pictures)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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