Scratchpadは、過去の検索のメモ機能のようなものだ。旅行のプランニングは、航空券などの交通手段の確保やホテル予約など、複数のタスクを平行して行うケースが多い。さまざまな日時や目的地の組み合わせを検索する一方で、コンピュータの前に座っている限りメールやソーシャルサイトなどの「マルチタスク」も要求され、平均的なユーザーは4~5つのウェブサイトを同時に見ているという。Scratchpadは日付や価格などExpediaで行ったクエリや情報を記録し、後で見直したり、友人や家族と共有できる。
Flight Recommendations、Scratchpadともに、現在はデスクトップ版での機能となり、今後機能強化を加えていくという。Kim氏はまた、ウェアラブルはホテルや航空会社などパートナー向けにもチャンスになると述べる。たとえば、ウェアラブルを装着しているホテルパートナーに対し、「Expediaのユーザー○人が自分たちのホテルを見ている」という情報をリアルタイムでプッシュすると「これに反応するチャンスになる」とKim氏。その場でレートと空き情報を基に特別なプライベートオファーを提供するなどのことが考えられるという。
3つ目は、ウェアラブルが人間の体験の限界を広げてくれるという期待だ。たとえば、ある場所に行ったときに、Glass経由でその場所についてのプライベート(自分の父親が若い頃に勤務した会社があった場所、両親が最初に出会った場所など)なメモが表示されたらよいのに、とKim氏は語る。
ある場所に行くと、父親からのメモとして「22歳のときにこのビルの5階で働いていた。右側の一列目のデスクにイニシャルを彫った」というメッセージが表示されるなど、Glassは体験の限界を拡大してくれる、とKim氏は期待する。
これら3つのポイントを挙げながら、Kim氏はGlassやウェアラブル全般について、「一つの端末が成功するか失敗するかに関係なく、継続して投資すべき理由」とした。なお、Glassの大きな課題とされているユーザビリティについては、「最終的には解決されるだろう」と楽観し、投資を打ち切る理由にはならないとの考えを示した。「われわれは将来に投資しなければならない」(Kim氏)。
一方で、Oculus VRなどの仮想現実ヘッドマウントディスプレイにより、人々は仮想でバケーションを楽しむようになるという予想に対しては、「そのようなことは起こらないだろう」との見解を示した。
Kim氏はGlass向けアプリの具体的な計画については語らなかったが、ウェアラブルなど新しいデバイス向けにデータプラットフォームを再構築するなどの作業を行っていると述べた。
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