30代半ば。四年制の大学を出て、卒業後すぐに働き始めたとすれば、軽く10年以上仕事をしてきたことになる。ひと通りの仕事をして、リーダー的な立場に立つようになったり、海外に赴任したり、違う部署に異動したり、独立したり――。仕事の幅も選択肢もグッと広がる年代ではないか。そろそろ「今後の自分の生き方」に悩むこともあるだろう。そんなときは、仕事に没頭して、世間から「すごい」「面白い」などと言われる業績を残してきた人たちの話が、役に立つかもしれない。
本書の著者は、映画のプロデューサーとして数多くの作品を手がけてきたほか、小説も出版している川村元気氏。その川村氏が、山田洋次監督や宮崎駿監督を始めとする、12人の「先生」に話しを聞いている。各インタビューの構成が凝っている。まず、「予習」として先生に聞きたい7つの質問があり、インタビューがあり、さらに「復習」として川村氏の対談後の感想が書かれている。1人の先生に対するインタビューが、簡潔で読みやすいのだ。本を読むのが苦手な人でも、とっつきやすい。
著者も含めて、先生たちがあまりに偉大で、ともすれば「自分なんて」と思ってしまうかもしれないが、偉大な人たちの偉大な点を学んで、見習いながら、自分の仕事を全うしていけば、自分は自分なりの偉業を成し遂げることができるのだろう。
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