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「構造改革をやり切る」ことを再度宣言--ソニー平井社長が語る再生への手応え

加納恵 (編集部)2014年11月18日 14時16分
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  • 「構造改革をやり切る」ことを表明した

 「構造改革をやり切る。問題は先送りにしない」――「Sony IR Day 2014」に登場したソニー代表執行役社長兼CEOの平井一夫氏は、この言葉を繰り返した。

 ソニーが10月に発表した2015年3月期第2四半期の連結業績は、売上高で前年同期を上回ったものの、営業損失は856億円、税引前損失は900億円、四半期純損失は1360億円の赤字となり、上場以来初の無配を発表した。この業績発表後に開催するSony IR Day 2014は、11月18日、25日の2日間、エンタテインメントからホームエンタテインメント&サウンド、ゲーム&ネットワークサービス、モバイル・コミュニケーション、イメージング・プロダクツ&ソリューションなどの事業状況が説明される。平井氏は説明会の冒頭に登場し、今後の事業の方向性などについて話した。

  • 2015年3月期第2四半期連結業績

 1760億円の減損を計上したモバイル・コミュニケーション分野については「この事業のリスクをコントロールし、安定した収益基盤を構築することが喫緊の経営課題」と言い切る。10月末にはソニー業務執行役員 SVPの十時裕樹氏をトップに据えた新体制を発表。商品については「2013年度における黒字化達成の原動力となった『Xperia Z』に代表される付加価値が高く、差異化が図られる商品の開発にリソースを集中し、地域ごと、国ごとの事業戦略を再構築していく」とし、新経営体制で収益構造の安定化に向け、スピード感を持って取り組んでいく姿勢を見せる。

 一方、PC事業の終息、テレビ事業の分社化と大幅な構造改革にも取り組む。「モバイル・コミュニケーション分野と、PC事業の終息に関連するその他分野以外では、前年度比で全セグメントの収益が改善し、変革の成果が現れ始めている」と現状を分析しながらも「改善しているとはいえ、エレクトロニクスの利益レベルはまだ低く、課題も残る」と慎重な見解を示す。

  • ソニー代表執行役社長兼CEOの平井一夫氏

 市場の成長鈍化、縮小が見られるデジタルイメージング事業では、量を追うのではなく、ユーザーニーズを的確に捉え、付加価値のとれる差異化された商品作りに集中することで、収益性を上げていく方針を徹底した。ゲーム&ネットワークサービス分野では、PlayStationユーザー数のさらなる増加とネットワークサービスの拡充により、購入者1人あたりの売上増を狙う。

 長年の課題となっていたテレビ事業に加え、サウンド事業などを持つホームエンタテインメント&サウンド分野では、商品の差異化を推進するとともに、徹底したコストコントロールにより、売上成長に頼らない安定した収益体質の確立を目指す。

 スマートフォンの成長とともに売上を伸ばしてきたデバイス分野においては「イメージセンサとバッテリ事業に集中する。この領域には積極的に投資していく」とし、スマートフォンのみならず車載用やウェアラブル用など、用途拡大に向け積極的に展開していくことを表明した。このように、各分野の市場状況に応じた戦略を展開する。

 また、映画、音楽などのエンターテインメント事業については「ソニーグループにとって大変重要な事業で、大きな柱の1つ」と強調。映画も音楽もリーディングポジションを担う存在であり、コンテンツ配信や視聴環境の多様化などとともに、今まで以上に大きな価値を持つ時代が到来するとした。

 平井氏は「赤字事業の止血や構造改革など現在の主要事業においては、ある程度の進捗と手応えを感じている。しかし私に期待されているのは、これらを行ったあとソニーグループがどのように高収益企業に変容し、どこに向かっていくのかを示すこと。中長期的に目指すソニーグループ全体の経営数値目標、新規事業への取り組みなど、今年度中に経営方針説明会を開催し、説明したい」と、2014年度中に新たな道筋を示す考えを明らかにした。

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