スマホをかざして商品探す--台湾発の“ビジュアル検索”サービス「Viscovery」 - (page 2)

アマゾンも参入する成長分野でアジア代表を目指す

 日本ではあまり知られていないかもしれないが、この分野には世界中に競合が存在する。2013年に米Yahoo!に買収され、写真共有サービス「Flickr」のチームに加わったことで今はサービスを終了している米国の「IQ Engines」。2014年に米Qualcommに買収されたスイスのスタートアップ「Kooba」などだ。

 6月には米Amazonが同社が提供するスマートフォン「Fire Phone」に「Firefly」という機能を導入。端末に専用のボタンが設置されるほどの目玉機能で、商品のバーコードや音楽認識機構で楽曲を読み込むことでアマゾンの商品ページに遷移できる。


Viscoveryチームの皆さん

 Viscoveryはこの成長分野でアジア代表を目指す。主な差別化要素が、Viscoveryはオフラインで画像解析、照合を行う仕組みを採用していること。そのため、オンラインでの仕組みを採用している他社のサービスにスピードで勝り、その差は特にインターネット通信速度が欧米などの先進国に劣るアジアの新興国で顕著になるという。

 2013年にはシンガポールに第2の拠点が開設され、東南アジア市場への進出を果たした。今後も各国で開催されるテックカンファレンスなどへの出展を通じて他国への進出の可能性を探っていくが、足下ではアジアの大手小売企業への働きかけを強化していく考えだ。

 ちなみにこのViscovery、現在のコンセプトに行き着く前は、同社の画像検索技術を活用して紙媒体などに書かれた中国語の翻訳サービスを提供しようとしていたそうだ。迅速な経営判断能力と自社の持つ強みを活かして、時代の要請に呼応した見事なピボット(事業の方向転換)である。

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