Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏は、中国政府とのオンラインセキュリティに関する協議について、「非常に率直」なものだったと述べた。このわずか数日前、ウェブ監視サイトのGreatFire.orgは、Appleの「iCloud」サービスが中国政府とつながりのある人々にハッキングされたと伝えていた。
Cook氏は北京で現地時間10月22日、中国の馬凱副首相と会談し、報道によるとユーザー情報の保護について意見交換したという。中国の国営通信社である新華社通信が24日に報じたインタビューの中でCook氏は、馬副総理との協議について「非常に率直」なものだったと表現した。ただし、会談の詳細は明らかにされていない。このわずか数日前には、Appleが同社のクラウドストレージサービスに対するサイバー攻撃についてユーザーに注意を促していた。
Appleは米国時間10月21日、セキュリティに関する告知を行い、「iCloud」が攻撃の標的になっている可能性があることを同オンラインサービスのユーザーに警告した。
Appleは顧客のプライバシーとセキュリティの保護に全力で取り組んでいる。われわれは、セキュリティが不十分な証明書を利用してユーザー情報を入手しようとする組織的なネットワーク攻撃が断続的に発生していることを認識しており、この問題を非常に深刻に受け止めている。これらの攻撃によるiCloudサーバへの不正侵入は起きておらず、「Safari」ブラウザを使用する「iOS」デバイスおよび「OS X Yosemite」搭載Mac上でのiCloudサインインにも影響はない。
中国政府によるインターネット検閲を監視しているGreatFire.orgは20日のブログ投稿で、中国のユーザーを攻撃したiCloudへのハッキングに中国政府が関与しているとして批判した。この「悪質な攻撃」の狙いは「ユーザー名とパスワードにアクセスする」ことであり、中国政府は盗んだユーザー情報を使って、「iMessage」のメッセージや写真、連絡先などiCloudに保存されているあらゆるデータを入手する可能性があると、GreatFire.orgは主張している。
中国政府はこれを否定しており、4日間の日程で同国を訪問していたCook氏はこの問題について公にコメントすることを避けている。これには、世界最大のスマートフォン市場である中国が持つ、Appleにとっての重要性も影響しているかもしれない。同社は2013年第4四半期に中国で記録的な数の「iPhones 5s」を販売した。「iPhone 6」および「iPhone 6 Plus」も出足は好調のようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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