キングソフトは10月7日、中国INTSIG Information(INTSIG)と提携したことを発表した。またこれに合わせて、INTSIGが提供する名刺認識・管理アプリ「CAMCARD(キャムカード)」の企業向けサービス「CAMCARD BUSINESS」の提供を開始した。
CAMCARDは、高精度のOCR(光学文字認識)技術や、データを瞬時にクラウドに保存してマルチデバイスからアクセスできるシームレス性などを強みとする名刺認識・管理アプリで、世界で1億以上のユーザーを抱えている。同アプリを活用したビジネスソリューションの展開は日本市場が初めてだという。
CAMCARD BUSINESSは、PCやスキャナ(ScanSnap iX500)と連携して、1分間に両面25枚分の読み込みが可能な高速スキャン機能、データ化した名刺情報に顧客との商談情報やタスクを関連づけて登録できるCRM機能、ユーザーの管理・アクセス制限や共有範囲の設定など名刺情報の漏洩を防止するセキュリティ機能、企業内で名刺情報を資産化し営業活用していくための機能、SalesforceやOutlookとの連携機能などを備える。
また、スキャンした名刺データの文字認識成功率は98%と高いが、正しく情報がデータベースに反映されなかった部分を、同社のオペレーターが最短5分で補正するサービスも提供されるという。SOHOや個人事業主などを対象に、毎月登録できる名刺枚数を制限した「無料プラン」ではこのサービスを利用できないが、「有料プラン」では名刺登録枚数が無制限なほか名刺補正サービスも利用できる。料金は1IDあたり月額500円から。
今回の提携によって、キングソフトは日本国内における販売代理およびマーケティング活動を行うほか、INTSIGに対して、ユーザーからの声をもとに機能やユーザーインターフェースについての改善支援をするとしている。
キングソフトはグローバルで3億人のユーザーがいるオフィスソフト「KINGSOFT Office」や、チャットやタイムラインによるリアルタイム情報共有が可能なビジネス向けコミュニケーションサービス「WowTalk」などをマルチデバイスで展開しており、INTSIGとの提携によりモバイル連携のニーズが高まるビジネスソリューション分野での事業拡大を進めていきたい考えだ。
キングソフト代表取締役の翁永飆氏は、2014年度における有料プランの導入目標を1万社・10万IDとしたうえで、「INTSIGとの提携によって、文書作成、文書管理、顧客管理などの包括的なビジネスソリューションを高いコストパフォーマンスで提供し、スマートデバイスの活用が進む企業のビジネスシーンを支援していきたい」とコメントした。
また、発表のために来日したINTSIG CEOのマイケル・ゼン氏は、今後CAMCARD BUSINESSを中国、韓国、欧米各国で展開するとした上で、日本での先行展開を決めた理由ついて、「日本は名刺交換の習慣が長年重視されておりビジネスにおける名刺の重要度は非常に高い。また、名刺のデジタル管理に対する認知や理解度も他の国よりも高い。INTSIGにとって最も重要な市場のひとつだ」と述べた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」