Amazonが欧州委員会(EC)の調査を受けている。調査の対象は、ルクセンブルク政府との間で交わされた、他の欧州諸国より低い税額を認めているとされる取り決めだ。
ECは現地時間10月7日、2003年に始まるAmazonとルクセンブルク政府の「税に関する取り決め」について、「徹底的な調査」を開始した。
ECは同日に公開した声明で、次のように述べている。「一部の多国籍企業が節税戦略を用いていることは、よく知られている。(中略)これは企業が世界全体での税負担を軽くするためであり、結果としてEU加盟国の租税基盤を損なっている。(中略)われわれが調べようとしているのは、選択的な税優遇措置が、ある特定の企業に与えられているかどうかだ」
この調査は、アイルランドでAppleが受けたものとほぼ同じと考えられる。Appleの事例では、同社とアイルランド政府の間で、納税義務の大部分を回避することを認める特別な取り決めがあったかどうかをECが調査している。アイルランドの法人税率は12.5%だが、Appleがアイルランドで納めている額は、税率で言えば2%にも満たない。これについてEUが不適切との判断を下した場合、Appleは過去10年間にさかのぼり、数十億ユーロを未納税分として徴収される可能性がある。
ルクセンブルク政府とAmazonの間に、同社の利益を保護し、納税義務を不適切に軽減する合意があったと認定されれば、AmazonについてもAppleの場合と同様の展開が予想される。
ECの声明には次のようにある。「われわれが調査中の取り決めは、ルクセンブルクにあるAmazonの子会社に関するものであり、この子会社は同企業グループの欧州における利益の大半を計上している。この会社は、ルクセンブルクに本拠を置く別の組織にロイヤリティを支払っているが、ルクセンブルクでは法人税の課税対象になっていない。現在われわれは、こうした仕組みを通じて、欧州におけるAmazonの利益の大半がルクセンブルクで計上されながら、同国では課税されていないものと理解している」
さらにECは、Amazonの納税義務を軽減しているロイヤリティは「市場の状況と一致していない可能性」があり、また「ルクセンブルクの税務当局は、Amazonが得た利益の額にかかわらず、同社の売り上げのうちルクセンブルクで課税される部分の割合を限定することに同意していた」とも述べている。
この取り決めが不適切と判定された場合、Amazonは相当な額の追徴課税に直面する可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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