Facebookがメッセージングアプリ「WhatsApp」の買収を正式に完了した。
ソーシャルネットワークのFacebookは米国時間10月6日、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類において買収手続きが完了したことを報告した。書類によると、WhatsAppはFacebookの100%子会社として継続し、WhatsAppの共同創設者でCEO(最高経営責任者)のJan Koum氏は、Facebookの取締役会に名を連ねる。
Facebookは2月19日、人気の高いメッセージングアプリのWhatsAppを現金と株式合わせて190億ドルで買収するという、Facebookにとって過去最大となる買収計画を明らかにした。規制当局の承認を得るために、同社は買収後もWhatsAppの独立性を維持することを約束したが、それでも米連邦取引委員会(FTC)はプライバシーの観点からこの買収に懸念を示した。
FTCは買収を承認したものの、FacebookとWhatsAppの両社に対し、ユーザー名、所在地、メールアドレスなどのデータを収集しないというWhatsAppのポリシーを維持すること、また、ユーザーの電話番号を第三者と共有しないことを求めている。
FacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏とKoum氏は、WhatsAppのプライバシーポリシーを今後も継続することを約束したが、FTCは、その約束が守られるか今後も注視していくと表明している。
この件に関しWhatsAppにコメントを求めたが、回答は得られていない。
FTCとは対照的に、欧州委員会(EC)はこの買収をあっさりと承認した。ECはプライバシーに関する問題よりも、「Facebook Messenger」とWhatsAppが競争上の問題を引き起こす可能性に注目していた。
欧州連合(EU)の競争政策担当委員を務めるJoaquin Almunia氏は、現地時間3日に発表した声明の中で次のように述べている。「『Facebook Messenger』とWhatsAppは、特に人気が高いアプリのうちの2つだが、ほとんどの人は複数のコミュニケーションアプリを使用している。われわれは、今回の買収提案を慎重に審査した結果、この活発な急成長市場において競争を阻害するものではないとの結論に達した。消費者は今後も、さまざまな消費者向けコミュニケーションアプリの中から選択できる」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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