Facebookやモバイルデバイスのカジュアルゲームとしてヒットしているパズルゲーム「Candy Crush Saga」(キャンディークラッシュ)。これを開発したKingが2014年に日本オフィスを設立。テレビCMなどのプロモーション展開も行い、存在感を増している。
9月に行われた東京ゲームショウ2014にあわせて、CMO(最高マーケティング責任者)のAlex Dale氏が来日。基調講演に登壇し、海外のモバイルゲーム市場について語ったほか、日本向けの新作「ペットレスキュー」を披露するなどのアピールを行った。
今回が初来日というDale氏に、海外から見た日本市場や世界展開で必要なことなどを聞いた。
私はとても楽しかったですね。学ぶことも多かったです。
日本では、節目や季節の変わり目などでゲーム内のイベントを実施したりプロモーション展開を行うということ。また、パズル&ドラゴンズのように、違う種類のゲームをブレンドしてひとつのゲームにしていることも特徴です。ほかにも日本のマーケティングにおいてテレビがとても重要だと感じています。こういった点は日本市場独特のものだと感じています。
3つあると考えてます。まず非常に洗練されたゲームに仕上げたこと。アニメーションによる演出やゲームのバランスなど、いいクオリティでリリースすることができたことが挙げられます。そしてゲームバランスがとても秀逸だったと。シンプルでありなから簡単なものではなく、ゲームとしての難しさもある。これがうまく合わさることで、ゲームとしてのバランスがよくできているかと思います。そして無料で遊べること。フリートゥープレイの概念ですね。お金を使わなくてもちゃんと遊べる内容にしているところです。
キャンディークラッシュはCCO(チーフクリエイティブオフィサー)が、お風呂の中で思いついたゲームです(笑)。スタッフはみなゲームが好きですが、特定のゲームにインスパイアされたということはないですね。Kingではウェブポータルを持っていて、180のゲームがプレイできます。そのなかで人気のあるものや評価の高いタイトルをモバイルゲームとして展開しているので、その時点で一定のクオリティがあるものだと考えます。
こと米国や英国では、Facebookのようなソーシャルグラフを使って周知に務めることは、海外展開において実施しておいたほうがいい施策のひとつです。諸外国ではFacebookの影響力は大きいです。
もうひとつは、展開する国に現地の人を入れたチームを置くこと。そしてひとつひとつ開拓していくことです。逆に我々も、日本が重要だと感じたから日本法人を立ち上げました。英国にいたまま普及できるものだとは思ってませんから。
日本にはゲームカルチャーが深く根付いた国という印象を持っています。スーパーマリオブラザーズやソニック・ザ・ヘッジホッグのファンは海外にも多く、世界中で影響を与えている存在なのは言うまでもありません。マーケットとしても大きいですし、先ほどのゲーム内イベントなど、日本特有のシステムから学ぶことは欧州の企業にとっても大きいです。
日本、中国、韓国の3カ国で、世界のモバイルゲーム市場の多くを占めるというぐらいにマーケットの規模があると考えてます。韓国と中国でもキャンディークラッシュの展開を始めました。
ユーザーにとって、世界中の多様なゲームを選んで遊んでもらえるという状況になっていることは、とてもいいことだと思います。こと日本でのキャンディークラッシュについて、App Apeという第三者機関のデータによれば、65%以上のユーザーが女性。さらにそのなかの50%以上が25歳以上というデータがあります。なので、一般的なゲームユーザーと呼ばれる人たちのイメージとは少し異なるのかもしれません。ただ我々が標ぼうするカジュアルゲームの層にはマッチしていると思います。
今は特に新規開拓に注力するという考えはありません。キャンディークラッシュをはじめKingのタイトルを楽しんでもらっている方に、より楽しんでもらうことが第一です。もっとも今でもかなり多くの国に配信してますし、南極には6人のキャンディークラッシュユーザーを確認していますから(笑)。
日本では5番目となる「ペットレスキュー」を配信しました。キャンディークラッシュ以上に戦略性が試されるゲームとなっています。そして今はキャンディークラッシュの続編ではないですが、姉妹タイトルを制作しています。キャンディークラッシュ同様に世界中で長く親しんでもらえるゲームにしたいと思っています。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」