UPDATE ニューヨーク発--Googleの会長であるEric Schmidt氏とWikiLeaks創設者のJulian Assange氏は2011年に初めて顔を合わせたが(これまでに両者が会ったのはこの1回のみ)、2人の面会は完全な失敗だった。
そして、Assange氏が自身の新著「When Google Met WikiLeaks」を宣伝するために米国時間9月24日、マンハッタンで開催した発売記念パーティーでSchmidt氏について話した内容を考えると、同氏との2回目の面会を手配するのは難しそうだ。
Assange氏は、滞在先であるロンドンのエクアドル大使館からテレビ会議で同イベントにライブ参加し、Googleのことを「民営化されたNSA」と呼んだ。NSAとは米国家安全保障局のことだ。2013年、NSAの元契約職員であるEdward Snowden氏が同局に関する機密情報を暴露したことを受けて、NSAの監視活動をめぐる大きな騒動が起きた。
さらに、GoogleはNSAのほかにも、米政府および米軍内のさまざまな部門と関係を持っている、とAssange氏は主張した。
Assange氏は、「Googleを利用する人々は同社の商品だ」と述べた。NSAの戦略は可能な限り多くの情報を収集することだと一部の人々は主張してきたが、同氏はGoogleのマーケティング目的でのデータ収集をその戦略になぞらえた。
Assange氏は、Googleの商慣行を嫌ってはいるが、同氏とSchmidt氏は実は「似たもの同士」だ、と語った。
Assange氏によると、Schmidt氏は、例えば、匿名化ネットワーク「Tor」はどのように機能するのか、といった難解なコンセプトを瞬時に理解できるという。
Schmidt氏はGoogleにとっての「国務長官」の役割を果たさなければならないので、同氏の仕事は「困難」だ、とAssange氏は述べた。Schmidt氏が23日におけるABC Newsとのインタビューで、侮辱的な言葉を吐かなければならなかったのは「悲しい」ことだ、とAssange氏は話した。
Assange氏の書籍が発売されることを認識していたSchmidt氏は、そのインタビューで、Assange氏の主張を断固否定した。
「Julianはさまざまなことに関して、被害妄想を抱いている。GoogleがNSAに協力したことは一度もない。実際のところ、われわれは彼らがしていることに激しく抵抗してきた。われわれはすべてのデータ、すべてのやり取りを完全に暗号化してきた。誰にも、特に政府にアクセスされないようにするためだ」(Schmidt氏)
Assange氏はイデオロギーの衝突について、「性格の問題ではない。少なくとも、昨夜までは、そうではなかった」と述べた。
42歳のAssange氏は先頃、同大使館での滞在が丸2年に達した。英国の裁判所は、Assange氏がスウェーデンで女性2人に性的暴行を加えたとする疑惑に答えるため、Assange氏の同国への移送を命じており、これを受けてAssange氏は2012年6月19日、ロンドンのエクアドル大使館に政治亡命を求めていた。
Assange氏は、スウェーデンで掛けられている容疑が、自身の身柄を米国へ引き渡すための策略に過ぎないと危惧している。
米国は、WikiLeaksについて4年間におよぶ犯罪捜査を進めてきた。Assange氏は、米司法省(DOJ)が報道機関を対象に実施した捜査として、1917年の諜報活動取締法成立以来、最大規模だと主張している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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