カリフォルニア州ハリウッド発--Oculus VRが、仮想現実(VR)技術の一般提供に向けてさらに一歩前進した。同社は、より高画質になった新しいプロトタイプを披露し、デジタルの世界へのさらなる没入感を期待させた。
同社は、「Crescent Bay」という新しいプロトタイプを開発したと述べた。Oculusによると、まだ一般向けに広く提供できる段階にはないとのことだが、新しいディスプレイ技術を搭載し、ヘッドホンが一体になっているこのプロトタイプは、くるりと一回転するプレーヤーを追跡することもできるという。
今回の動きは、Oculusにとって重要な一歩だ。同社は3月、Facebookが20億ドルで買収することに合意している。同社は現在、2015年中に予定されている「Rift」ヘッドセットの一般提供に向けた準備を進めている。
「消費者向けバージョンに向けた取り組みを急ピッチで進めている」とOculusの最高経営責任者(CEO)を務めるBrendan Iribe氏は、当地で開催されたOculus開発者会議の基調講演で述べた。
これは大きな賭けだ。他社からも競合製品が発表されており、例えばソニーの「PlayStation」ビデオゲーム機部門は、「Project Morpheus」というVR製品を開発している。GoogleやTechnical Illusionsなども独自製品を開発しており、また、複数のより小規模な企業が、スマートフォンやタブレットと連動するヘッドセット製品を開発している。まだ公表されていないプロトタイプを研究所で開発中の企業もある。
Oculusのチーフサイエンティストを務めるMichael Abrash氏は、「次期プラットフォームの確立に向けた激しい競争が繰り広げられている」と述べた。
乗り越えるべき障害がもう1つある。ゴーグル型のOculus製品の消費者向けバージョンが消費者の手に渡った暁には、映画やビデオゲームといったコンテンツが必要になる。同社の製品やツールを対象とする開発者の育成が現在、そのための重要な課題であり、Microsoft、Google、Apple、Facebookも、他の製品に関して同じような取り組みを長年にわたって行っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」