Adobeは米国時間9月16日の取引終了後に、第3四半期決算を発表した。同四半期の業績は、明暗入り交じる結果となった。
純利益は4470万ドル(1株あたり9セント)となった。
売上高10億500万ドルに対して、非GAAPベースの1株あたり利益は28セントだった。
アナリストらは売上高として10億2000万ドル、1株あたりの利益を26セントと予想していた。
四半期決算の内容はいまひとつ振るわないものだったが、最高経営責任者(CEO)であるShantanu Narayen氏は用意していた声明で楽観的な姿勢を崩さず、「Creative Cloud」と「Adobe Marketing Cloud」の導入が加速していることを強調し、2014年は堅調な結果となるという予測を示した。
最高財務責任者(CFO)のMark Garrett氏は、Marketing Cloudが好調なことを認め、「第3四半期は、売上高の63%が定期的な収入源によるもので、ビジネスモデルの変革が引き続き成果を上げていることを示している」と付け加えた。
第3四半期の売り上げのうち、Adobe Marketing Cloud部門が2億9000万ドルを占めた。Adobeによると、サブスクリプションの目覚ましい成長が売り上げに貢献したという。
AdobeはMarketing Cloudのサブスクリプション数を明らかにせず、第3四半期に「50万ドル以上の年間契約を結んでいる顧客の数が前年比で40%以上増加した」と述べるにとどまった。
一方、クラウドベースのデザインソフトウェアツールであるCreative Cloudについては、第3四半期末時点で有料サブスクリプション数を前期から50万2000件増やし、281万件以上とした。
AdobeはCreative Cloudの成長をいっそう加速する計画だとNarayen氏は指摘し、そのための主な方法として、デスクトップ向けAdobe製品顧客のCreative Cloudへの移行を積極的に進める、カスタマイズ製品(写真家向けのCreative Cloudなど)を提供して新規顧客に狙いを定める、ミッションクリティカルなサービス(AdobeのSDKをベースに作成したモバイルアプリ)を増やす、という3項目を掲げた。
「デジタルマーケティングは非常に勢いのある分野であり、あらゆるビジネスを根本的に変えている」と、Narayen氏は述べた。「あらゆる消費者が期待するパーソナライズされたエクスペリエンスを実現するには、企業は最新のテクノロジプラットフォームに対して相当額の投資が必要になる。こうした変革は、マーケティング分野で始まっているが、リアルタイムエンタープライズ全体にまで広がりつつある」(Narayen氏)
今後について、アナリストらは、Adobeの第4四半期決算の売上高を10億9000万ドル、1株あたりの利益を少なくとも31セントと予測している。
Adobeは、続く第4四半期の売上高見通しを、アナリスト予測より低い10億2500万~10億7500万ドルの範囲とした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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