このような分析結果を得た私たちは、ショートカットボタンの大きさ、形状、場所を再設計しました。現在のボタンは、ペン先から十分に離れており、ペン軸からさほど高くなっておらず、押下に力をより必要とすることで、誤って押されることを避けています。同様に、ボタンはこれまでより大きく、もっと意図を感じられる場所にあるため、位置を覚えやすく、素早い動作を可能にします。
Perpich氏:Adonit社内において、私たちは、デジタルクリエイターのために壁を取り払うことについて数多く話し合っています。そして、それはモバイル、デスクトップ、クラウドにあるワークスペースを単一の創造的力に統合するためのツールを作ることです。確かに非常に高いゴールです。しかし、私たちにはそれが出来ると自ら考えています。創造的プロセスがどのように進化しても、その中心にあるべきなのはアーティストの能力を広げる自然で使いやすいツールです。私たちが、デジタルスタジオをつなぐ新しくより高性能なツールでアーティストに力を与えることができると信じる理由はそこにあります。
私たちは、自分たちのビジョンを実現するにあたり、少しばかり手助けを必要としていました。そこで、人脈に幸運を組み合わせることで、Adobeと接触しました。このことが可能となったのは、彼らが似たようなビジョンを持っていたからです。「Creative Cloud」は、Adobeのソフトウェアプラットフォーム上にいるクリエーターをつないできました。そして、今、Adobeはクリエイティブハードウェアに進出したいと考えていました。
クリエイティブハードウェアへの進出はAdobeにとって重要でした。それによってAdobeのツールが全クリエイティブプロセスの一部になることを可能にします。Adobeでエクスペリエンスデザイン担当バイスプレジデントを務めるMichael Gough氏は最近のインタビューで「人々はツールを使って何時間も過ごしますが、本当にクリエイティブになりたいときはマウスから手を離し、ペンと紙を取ります。私たちが現在取り組んでいることは、このことを変えます」と述べています。ペンと紙を改良することは可能でしょうか?私たちは可能だと考えています。そして、消費デバイスではなくクリエイティブデバイスとしてiPadが持つ潜在能力すべてを解き放つことは、そのことの大きな部分を占めます。すばらしいツールとCreative Cloudの組み合わせは、iPadを本当に強力なデバイスにします。それにより、ユーザーの作業は束縛から解放され、ユーザーはAdobe製デスクトップツールで作品を洗練させ、磨きをかけ、創作することができます。より重要なのは、実際の作業を好きな方法で始められるということです。慣れ親しんだ方法で創作を可能にする自然なツールを使えるということです。私たちはPixelpointテクノロジをAdobeのInkスタイラスにもたらしましたが、その結果として3.18mmのペン先が搭載されて正確な描画が優先されるとともに、クリエーターには自然に創作するための能力が与えられました。そして、Adobeによって、私たちはCreative Cloud統合を当社のデジタルアーティスト向け最新スタイラスJot Touch with Pixelpointにもたらすことができました。
これは、私たちAdonitにとって旅の始まりです。私たちは、アーティストやノートを取る人たちに自然な創作を可能にするツールを作り続けます。しかし、コネクテッドデバイスは、非常に多くの機会を開いて壁を取り払い続けます。Jotスタイラスは、すぐに単なるスタイラス以上になるでしょう。デジタルスタジオの中心的存在となり、ファイルやコラボレーションツール、作業空間をまたがってアイデアを構築するための新しい方法へのアクセスを与えるようになるでしょう。
AdobeとAdonitのコラボレーションは、数多くの結果を生み出すことができましたが、始まりは1つのゴールを目指すことでした。つまり、思考と創造との間にある壁を取り払う新しいデジタルスタジオによってデジタルアーティストに力を与えるということです。そして、私たちは次に何が起こるか楽しみでなりません。
(編集部注:Adonitは、AdobeとのコラボレーションについてPerpich氏、Gough氏、Buick氏が語るビデオを公開している)
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