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アドビのスタイラス「Ink」とデジタル定規「Slide」--「Adobe Line」「Adobe Sketch」で使った感想

Lori Grunin  (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2014年07月28日 07時30分
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 「Adobe Ink」と「Adobe Slide」(以前は「Project Mighty」と「Project Napoleon」というもっと興味深い名称だった)は、Adobe Systemsが初めて挑んだハードウェア製品だ。Inkはスタイラス、Slideは定規で、「iPad」と連携するほか、両製品の機能を利用するアプリが2つ用意されている。

 Adobeは筆圧感知スタイラスであるInkを「クラウドペン」と呼んでいるものの、少なくともこの最初のバージョンにおけるクラウド接続は、いまひとつという感じだ。InkはSlide(Adobeは「デジタル定規」と表現している)と連動するが、筆者にはSlideが妙に余計なものに思える。まるで、Slideのコンセプトがきっかけとなって開発プロセス全体が始まった後、それが不要だということに気づいたが、とにかく製品化しなければと感じたかのようだ。

 少なくとも発売当初は米国のみで提供され、価格は200ドルだ。具体的な時期は発表されていないが、将来的に英国を含む欧州やアジア、オーストラリアでも発売される。現在のところサポートされるのは「iOS」のみ。その理由の1つは、AppleとAdobeに共通のファンが多いことだ。

 InkとSlideのパッケージの残り半分を構成するのが、「Adobe Line」と「Adobe Sketch」という2つのアプリだ。いずれも「Creative Cloud」のサブスクリプション契約者(有料無料を問わず)にダウンロード提供され、米国外のユーザーも入手可能になる。どちらも描画アプリだが、Lineは専門的なスケッチツールと言えるかもしれない(ただし数値精度はない)。一方、Sketchはオンラインポートフォリオサイト「Behance」でスケッチを共有するためのクリエイティブなフリーハンド描画ツールだ。

 ハードウェアはAdobeにとってあまり重要な分野でないことに注意してほしい。Adobeは開発者に刺激を与えて、自社のソフトウェア、ひいてはCreative Cloudのファンにしたい考えだが、ハードウェア事業に従事することを望まない気持ちもそれと同じくらい強い。良くも悪くも、同社の事業はサブスクリプション販売だ。InkとSlideは結局のところ、「Adobe Creative SDK」のリリースとともに、ツールを開発するサードパーティーハードウェア開発者を呼び寄せるための概念実証にすぎない。

ハードウェア

 Inkは優雅なデザインの筆圧感知スタイラスで、Adonitと共同で製造された(InkとSlideはAdonitのサイトで販売される)。軽量のハイドロフォームアルミ製で、ねじれの入った三面構造になっており、ボタンが1つ付いている。平面に水平に置くことができ、筆者の手になじんだ。他と同様にBluetooth 4経由での接続となるため、第3世代以降のiPadでしか利用できない。

 後端にはLEDが搭載されている。自分の好きな色に光るようにプログラムできるので、近くにほかのInkがたくさんあっても、どれが自分のInkか分かる。ほかのセットアップオプションには、パームリジェクションや、ペンの持ち方をアプリに伝える6種類のオプションなどがある(後者の目的は、視差修正を実行して、画面上のペン先の位置をより正確に反映すること)。

 Inkの充電器兼キャリングケースも非常にうまく設計されていて、USBケーブルを抜いたら、バッグやポケットの中に放り込んでおいても大丈夫だ。Adobeによると、Inkは1時間で充電が完了し、8時間の連続使用が可能だという。

 ほとんどのiOSスタイラスはディスク(「Jot Touch 4」など)か、大きくて丸いゴム(ワコムの「Intuos Creative Stylus」など)をペン先に使用して複数のセンサを組み合わせることで、iOSに筆圧の強さを伝えている。Inkのペン先のサイズは比較的細い2mmで、ワコム製の一般的なデスクトップスタイラスより少しだけ大きい程度だ。これが感触に大きく影響しており(摩擦が少なく、より自然な感触)、ワコムのIntuosスタイラスを使うときにかなり近い感じがする。

 Inkの後端に充電器をはめ込んでUSB経由で充電する。
Inkの後端に充電器をはめ込んでUSB経由で充電する。
提供:Sarah Tew/CNET

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