Appleは、長年にわたって近距離無線通信(NFC)に抵抗してきた末に、iPhone 6とiPhone 6 Plusでこの短距離通信プロトコルを採用しただけでなく、それに合わせたモバイル決済システム全体を構築した。多数のパートナー企業が出番を待っている。
「Apple Pay」は、スタート時点では米国限定のシステムであり、iPhoneの「Passbook」アプリと連携するほか、単独でも機能し、iPhoneを1回タッチさせるだけで商品やサービスを購入することができる。ほかのモバイル決済システムと同様に、販売者側からはユーザーのクレジットカード情報は見えない。カメラを使った便利な機能によって新しいクレジットカード情報をPassbookに追加できるため、入力の回数がいくらか減ることになる。
米国ではVisa、MasterCard、American Expressのクレジットカードが利用できるほか、大手銀行6行と提携しており、今後さらに増える予定だ。スタート時点では、Macy's、ドラッグストアのWalgreensやDuane Reade、Whole Foods、McDonald'sの全店舗(ドライブスルーを含む)など、22万店舗でこのサービスを利用できる。
またGroupon、Uber、PaneraなどはApple Payを自社のアプリに直接組み込む予定だ。AppleがAPIをリリースすれば(近日中に予定されている)、開発者が殺到するだろう。
iPhone 6(とiPhone 6 Plus)は、9月19日に米国、英国、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、香港、日本、プエルトリコ、シンガポールの10の国と地域で発売され、先行予約は9月12日から始まる予定だ。
米国では、16Gバイトモデルが199ドル(契約あり)で販売される予定だが、100ドル上乗せして299ドルを払えば大容量の64Gバイトモデルを手に入れられる。さらに100ドル追加すれば、399ドルでストレージを128Gバイトまで拡大できる。新しいiPhoneを最初に提供する米国の通信事業者は、AT&T、Sprint、T-Mobile、Verizon、US Cellularなど。T-Mobileなどの事業者は、契約なしの価格をまだ発表していない。
「iPhone 5」からずっと待っていた人や、これまでよりいくらか大きめのスクリーンが欲しい人、あるいはApple Payを試したいという人には、比較的価格の安い4.7インチのiPhone 6がおすすめだ。
しかし、その大きくなったサイズに魅力を感じないのであれば、2013年発売のiPhone 5sから、新しいiPhoneのいずれかにアップグレードする理由を見つけるのは難しい。新しいA8プロセッサの速度とグラフィックスの改善は、2013年の「A7」プロセッサほど劇的な進化には思えない。少なくとも、仕様を見た範囲ではそうだ。Appleは64Gバイトモデルと128Gバイトモデルまで容量を増やしており、ストレージ容量がはるかに大きくなったことも魅力的な点である。
やはり、Apple製スマートフォンの次の進化に期待している現在のiPhoneユーザーは、iPhone 6に満足する可能性が高い。4インチディスプレイに飽きてしまったユーザーには特に歓迎されるはずだ。ただし、iPhone 5sユーザーは段階的な進歩としか感じないだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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