エプソンは8月27日、明るく忠実な色再現に優れる3LCD方式を採用したホームシアタープロジェクタを発表した。フルHDモデルの「EH-TW6600W/TW6600」(想定税別価格:22万円前後/19万円前後)と、HDモデルの「EH-TW530」(同:7万円前後)の2シリーズをラインアップする。発売はいずれも9月11日。
EH-TW6600W/TW6600は、従来機「EH-TW6100」と同価格帯ながら、上下60%、左右24%の稼働範囲を持つレンズシフト機能を備えた中級機だ。0.61型のワイドポリシリコンTFT液晶パネルを搭載し、2500ルーメンの明るさを確保。7万対1の高コントラストを実現する。
TW6600WはWireless HDに対応し、同梱のWirelessHDトランスミッタをプレーヤーなどに接続すれば、無線化したデータを内蔵の受信機が受信し、ワイヤレス再生を実現。少ない配線ですっきりとしたホームシアターが構築可能だ。
現行機でも採用されている超解像技術は、輪郭を強調するだけでなく、鮮鋭感、質感の再現性を向上。ハイビジョン映像はもちろんBDソフトの3D映像など、さまざまな映像コンテンツに対応する。今回採用された超解像技術は、現行の「EH-TW8200」においてもファームアップデートにて対応するとのことだ。
独自の「Bright 3D Drive」により明るい3D映像を再生するとのこと。480Hz駆動対応のD9パネルを採用することで、部屋の照明を落とさなくても臨場感ある3D再生ができる。本体には3Dエミッタを内蔵し、付属の3Dメガネを装着することで3D視聴が可能だ。
サイズは高さ157mm×幅410mm×奥行き304mmで、重量約6.8(TW6600は6.7)kg。コンパクトボディをいかし、棚などにすっきり設置できるほか、別売で天吊り金具「ELPMB30」(税別価格:4万5000円)も用意している。
TW530は、高さ77mm×幅297mm×奥行き234mmで、重量約2.4kgの携帯性に優れたコンパクトボディがポイント。エントリーモデルながら別売の3Dメガネ「ELPGS03」(税別価格:1万円)を組み合わせれば、3D映像の視聴もでき、2D映像を3D映像として再生できる「2D-3D変換」「3D奥行調整」機能も備える。
ダイナミック、リビング、シネマ、ゲーム、3Dシネマ/3Dダイナミックと6つのカラーモードを装備し、コンテンツや部屋の環境に合わせて選択可能だ。
本体に、80型のスクリーンをセットしたスクリーンセットモデル「EH-TW530S」(想定税別価格:7万5000前後)も用意する。
両機種ともにMHLに対応し、スマートフォンやタブレット経由でのコンテンツ再生にも対応。TW530には、オプションの無線LANユニット「ELPAP07」(税別価格:1万円)も用意している。
エプソン販売取締役販売推進本部長の鈴村文徳氏は「ホームプロジェクタの市場規模は2013年に2万7000台に達し、2012年から160%と急激に伸びだ。この現状に違和感を抱く人も多いかもしれないが、実はまだ伸びしろの大きいマーケットだと思っている。市場を牽引したのは2013年に発売した『EH-TW5200』。10万円を切る価格帯で、3D再生までサポートし、1080p対応と、三拍子そろった製品内容は、今までプロジェクタの購入に踏み切れなかったお客様の背中をひと押しできたモデルだと思っている」と市場動向を話した。
今後エプソンが狙うのは、大画面再生に興味はあるが、商品対して情報収集などをするまでには至っていない層。タッチポイント増やし、実際に体験する場を設けることで、プロジェクタの魅力を訴求していく方針だ。開始時期は未定だが、購入を検討するユーザーに向け、事前にプロジェクタを貸し出す「レンタルサービス」なども検討しているという。
エプソン販売VP MD部部長の蟹澤啓明氏は「エプソンでは全部で13モデルのプロジェクタラインアップを持つ。エントリー向けからハイエンドモデルまで漏れのないラインアップで、お客様にぴったりの1台が見つかるのではないかと思っている」と豊富なラインアップに自信を見せる。
今回製品発表が見送られた4Kモデルに対しては「現在開発中。もう少し時間がほしい」(セイコーエプソン ビジュアルプロダクツ事業部副事業部長の大寺篤氏)とコメントした。
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