フリービットは8月7日、NTTドコモのMVNOによる3Gネットワークとオリジナルのスマートフォン、そしてサービスを一体で提供する「freebit mobile」の新たな展開を発表した。東京・渋谷への旗艦店の設立や、関東でのテレビCMの放映などプロモーションにも力を入れる。
フリービットの代表取締役社長を務める石田宏樹氏は、外部機関の調査結果から、現在のスマートフォンユーザーが抱える不満として、料金に関するものが5割を超えていると説明。最近、携帯電話主要3キャリアが新料金プランを発表したが、それでも月平均の利用料は6500円を超える。一方、ユーザーが適性と感じる料金は4000円程度となっており、4割近くものかい離があるという。
不況が続く中で料金が高止まりしているにもかかわらず、生活必需品であることからスマートフォンは手放せない。そうした状況をなんとかしたいとして、モバイルのコストを3分の1にするべく2013年11月に「freebit mobile」を提供したと石田氏は話す。
freebit mobileの開始後、流通各社らがMVNOのSIMと安価なスマートフォンのセット販売、いわゆる“格安スマホ”を始めたが、「それらは車でいうならば、エンジンと車体を量販店が別々に調達して販売しているようなもの。詳しい人にはいいかもしれないが、そうしたものがシニアに向けて販売されているのはいけないと思う」と、freebit mobileがいわゆる“格安スマホ”とは異なるサービスであると主張した。
一方で、大手キャリアに関しては「パフォーマンスを重視するあまり、ユーザーのニーズを超えたところで戦いをしている」と批判。freebit mobileでは大手キャリアとは全く異なる手段で顧客に良質なサービスを提供する、新たな仕組み作りをしていくとしている。
では実際、どのような仕組みを用いて格安スマホや大手キャリアと差別化しようとしているのだろうか。その1つは「アパレル業界でいうSPA(製造小売)」と、石田氏は説明する。具体的には、自社でネットワークから端末の調達、そして販売までまとめて提供する垂直統合モデルを採用することで、中間マージンを抑え安価で利用できる仕組みを提供しているとのことだ。そしてもう1つは、質の高い特許技術を自社に多く保有していること。実際、freebit mobileには同社が獲得した24の特許技術が活かされているという。
さらにfreebit mobileでは、ウェブサイトだけでなくリアル店舗、そしてテレビショッピングなど幅広い販売チャネルを持ち、場所を選ばず購入できる取り組みも実施しているという。これまでテストマーケティングとして福岡と小倉、そして名古屋に実店舗を展開したほか、ショッピングモールに出店できる移動式の小型ショップ“STAND”なども用意。スマートフォンに慣れていないユーザーがGoogleアカウントなどのセットアップをしやすくするため、遠隔でセットアップをサポートする仕組みを導入したり、テレビ電話を用いリモートで回線契約をする「リモートクルー」を用意したりするなど、すぐ契約してスマートフォンが利用できる仕組みを整えてきた。
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