10分で学ぶ、JASRACと音楽利用のオキテ

福井健策(弁護士・日本大学芸術学部 客員教授)2014年08月08日 11時00分

 「18歳からの著作権入門」。いよいよ今回は待ちに待ったJASRACである。ひゃっほう!果たして、JASRAC(日本音楽著作権協会)とは何をする団体なのか?

 お金を沢山集めるところです。 (続きは次回)

 って終わっちゃいかん!!そんな一言で片づけては勿体ないほど、私たちの社会生活に深く根付いているのが、JASRACなどの著作権の集中管理団体なのです。今日はそのお話。

音楽の著作権をまとめて管理

 JASRACなどの集中管理団体は、その名の通り膨大な作品の著作権をまとめて管理している団体です。たとえば音楽でいえば、「著作物」とは歌詞と楽曲(メロディ)でしたね。これらはCD録音などの「複製」、ライブなどの「演奏」、放送やネット配信といった「公衆送信」にいたるまで、全国津々浦々で日々使われています。カラオケで歌うのだって、お店のBGMだって「演奏」のうちです。

 今や、放送ひとつとってもテレビ・ラジオ局は全国に無数にあって、どの曲がいつどこで流れたかなんて到底把握できません。よしんば把握したとしても、作曲家・作詞家が自ら全国のコンサート会場や放送局に出かけていって、使用料を徴収する訳にもいきませんね。

 そうしたことから音楽の分野では他に先駆けて、著作権を集中して管理する団体が世界的に発達したのです。日本でいえばガリバーはJASRACで、プロの曲の95%以上はJASRACが管理していると言われます(ほかにイーライセンスやJRCといった集中団体も活動中)。そこで一括して曲の利用の許可を出し、使用料を徴収し、無断使用があれば取り締まるという、いってみれば音楽著作権のデパートのような存在なのですね。

 「管理」と書きましたが、正確には作詞家・作曲家は音楽出版社などの団体を通じて、その著作権をJASRACに委託します。これは「信託」と言って、管理してもらうためにいったん著作権を譲渡する形ですね。いわばJASRACが著作権者になりますから、もはや作詞家・作曲家自身といえども、基本的に自作曲を自由には使えなくなります。

 しかも、JASRACは各国の同種の団体と「相互管理契約」というものを交わしていますから、海外のプロの楽曲も日本での窓口はたいていがJASRACです。逆に、日本の楽曲が海外で放送されたり歌われた場合も、使用料はこうした各国団体が徴収して、JASRACなどを経由して日本の作詞家・作曲家・音楽出版社に分配されます(図)。こうしたことから、同協会が管理する国内外の楽曲は、データベース上でカウントできるだけでも現在300万曲以上とされます。


音楽著作権の管理イメージ図

 使用料は、用途や規模ごとに使用料規定が事前に決まっています。たとえば、CDが製造された場合、定価の約6%が音楽著作権の使用料としてJASRACに払われます。コンサートなら、80%売れた場合のチケット総売上の5%などが音楽使用料分です。放送の場合にはいちいちカウントするのが難しいという理由で、多くの放送局は「年間包括契約」というものをJASRACと交わしています。およそ、年間の放送事業収入全体の1.5%がJASRACに払われます。

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