SprintはT-Mobile USの買収断念に向かっているようだが、Sprintの親会社のソフトバンクはSprintとT-Mobile USの将来的な合併にまだ関心を持っていると、The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間8月6日に報じた。これとは別に、フランスの通信事業者Iliadに近い人物がWSJの取材に応じ、IliadはT-Mobile USの株式の過半数を取得する意向を示しており、この買収提案を進める用意があると述べている。
こうした報道は、SprintがT-Mobile USを買収するとの計画を突然変更したとはいえ、米国市場でのシェア拡大や同市場への参入を目指す企業にとっては、T-Mobile USが今でも魅力的なターゲットであることを示している。とはいえ、投資家が期待していたのはSprintからの買収提案だった。
WSJがソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏に近い人物の話として報じたところによると、孫氏はT-Mobile USの買収をいまだあきらめておらず、交渉上の立場や規制環境が改善するまで待つつもりだという。一方、Iliadに近い人物はWSJに対し、Sprintが買収を断念した今、Iliadは自社の提案を「昨日の時点よりも有利になったと見ている」と述べている。
米CNETは、ソフトバンクとIliadの広報担当者にコメントを求めたが、現時点では得られていない。また、T-Mobile USの広報担当者からも、今のところコメントはない。
Iliadは現地時間7月31日、150億ドルでT-Mobile USの株式の過半数を取得する意向を明らかにしていたが、T-Mobile USはこの提案を拒否したと報じられている。
SprintがT-Mobile USの買収を目指しているとのうわさは数カ月前から浮上していた。これはそれぞれ米国第3位と第4位の通信事業者が1つになることを意味し、実現すればVerizon WirelessとAT&Tにとって強力な競争相手が出現するところだった。WSJの8月5日付の記事によれば、Sprintがこの計画を撤回したのは、米国の規制当局がこの合併について、消費者の金銭的負担を増やし、選択肢を狭める可能性があるとの懸念から強く反対したためだという。
Sprintはまた、同社のCEOがDan Hesse氏から、モバイル卸売りBrightstarの創業者兼CEOであるMarcelo Claure氏に交代することを6日に明らかにしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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