大手小売チェーンのTargetが深刻なサイバー攻撃による被害額を認めたことに続き、史上最大規模の可能性がある認証情報の盗難が明らかになった。
ロシアを拠点とする犯罪集団が、12億件を超える認証情報(ユーザー名とパスワード)と5億件以上のメールアドレスを盗んだという。The New York Timesが米国時間8月5日に報じた。
The New York Timesは、ミルウォーキーを拠点とする技術およびビジネスインテリジェンス企業のHold Securityが今回の件を見つけたと報じた。Hold Securityは、エンタープライズセキュリティインフラを提供しているほか、各国の顧客のためにインシデント調査を実施している。
標的にされたサイトと被害者については公表されていないが、犯人らは大小さまざまなサイトをハッキングしてきたと指摘されている。
さらに不思議なことに、これまでに悪用されたIDの大半が、間接的な金銭的見返りのために使用されてきたことだ。つまり、違法な巨額の支出や闇市場での認証情報の売却ではなく、ソーシャルネットワークでのスパム送信に使用されてきたのだ。
途方もないデータ漏えいの代表格になったと言えるTargetは8月5日、2013年冬に起きた決済インフラへの攻撃による純費用が1億1000万ドルだったことを認めた。
データ漏えいからのコストは、決済カードネットワークからの請求など、漏えいに関連して実際に発生した請求と、発生する可能性がある請求が大多数を占める。
Targetの事件では、東欧が拠点と考えられているハッカーらが、最大7000万人分の氏名と住所、電話番号、メールアドレスに関する情報を入手した。
この事件による金銭的コスト(顧客の信頼には値段が付けられないかもしれないが)に関するTargetの予想額に対して、アナリストらは、はるかに高額になる可能性があると推測した。
この最新の事件によって、どれだけ多くの人が脆弱な状況になっていることが明らかになったかを鑑みると、アナリストらの推測はより一層正しいように思われる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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