容量無制限の「Eyefiクラウド」、アイファイCEOらが語る“強み”と次の戦略

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 無線LAN機能搭載型SDカード「Eyefi」を手掛けるEyefiは7月、新たなクラウドサービス「Eyefiクラウド」を日本で開始した。

 既に米国では、4月から開始されており、Eyefiカードを展開しているグローバルエリアという視点で見ると2カ国目となる。Eyefiクラウドは、同社の無線LAN搭載型SDカードのひとつ「Eyefi Mobiカード」を利用したクラウド型のサービスで、Eyefi Mobiカードと同期したデバイスを介してクラウドへと画像データを転送できる。さらに、専用アプリをインストールしておくと、スマートフォンなどで撮影した画像もクラウドに転送でき、さまざまなデバイスに散らばるすべての画像を1箇所にまとめられるほか、所有するPCやタブレット、スマートフォンなどのデバイスから閲覧できる。

 最大の特徴は、容量が無制限であること。これにより、容量を気にすることなく、画像をアップロードできるのだ。

Eyefi Mobiカードラインアップ
Eyefi Mobiカードラインアップ

 今回は、米アイファイCEOのMatt DiMaria氏、創業メンバーのひとりであり技術担当のBerend Ozceri氏、そしてアイファイジャパン代表取締役の田中大祐氏にEyefiクラウドの狙いについて話を聞いた。

カードの管理から写真の管理へ--第3世代のクラウド

――御社では既にEyefiカードを通じて、スマートフォンやPCへと画像を転送させるシステムを提供しています。新たにEyefiクラウドというクラウドサービスを提供するきっかけとは何だったのでしょうか。

創業メンバーのひとりであり技術担当のBerend Ozceri氏
創業メンバーのひとりであり技術担当のBerend Ozceri氏

 Berend Ozceri氏:実は、Eyefiの創業時からクラウドというものを意識していました。ただし、創業時のクラウドというのは、カードのセッティングを行うためのもので、今求められている役割とは異なるものです。現在求められているのは、“カードを管理する”から“写真を管理する”ということです。そういった意味で、今回発表したEyefiクラウドは(APIを含めて)社内的には第3世代と認識しています。

 今回のサービスで一番意識したのは“モバイル環境の爆発的な普及に対応した画像管理システム”を実現することです。一眼レフやコンパクトカメラ、スマートフォンなどで撮影した画像を一元管理できるシステムとしてEyefiクラウドを発表しました。実際、Eyefiクラウドの開発プロジェクトは、2~2.5年前から始まっています。これは、Eyefiカードがモバイルを意識したころ※から構想としてあり、また開発も進めていました。

※モバイル向けEyefiカード「Eye-Fi Mobiカード」の発売は2013年6月14日。開発の開始はさらに遡る

 またその間、我々はiOS/Android用のアプリケーションなどさまざまなアプリケーション、クラウド用のインフラなどを開発しています。特にEyefiクラウドと密接な関係にあるクラウドのインフラは、Eyefi社として持つプライベートなインフラとパブリックなインフラを組み合わせて構築しています。

――米国のサービス開始から日本で開始するまで、約3カ月という時間があります。どのような準備をしていたのでしょうか。

米Eyefi CEOのMatt DiMaria氏
米Eyefi CEOのMatt DiMaria氏

 Matt DiMaria氏:Eyefiクラウドは当初から段階的な展開というのを想定していました。準備しているという意味では日本から開始するということもできたのですが、まずは米国からのスタートさせ、そして7月に2カ国目となる日本、9月から全世界へと順次サービスの展開を進めます。世の中には古くから存在するのにも関わらず、ワールドワイドに展開していないサービスが数多くあります。Eyefiクラウドはサービスの開始した年中にすべての国で使えるように準備しています。日本向けの話をするなら、日本のニーズを知ることが重要です。日本のユーザーは、高い品質、高い機能を要求します。米国でスタートしたEyefiクラウドですが、今回日本で公開するにあたり、さらに機能を追加しています。

 Berend Ozceri氏:まず、米国ユーザーのフィードバック、そして日本のベータユーザーの感想の中で“2つ”注目した点があります。1つ目は、モバイルデバイス内のストレージ管理についてです。写真を撮る・転送するといった中でストレージ容量を圧迫しないように改善しています。2つ目はユーザーインターフェースです。米国で公開されたEyefiクラウドのインターフェースよりも“もっと写真好きのインターフェース”であるべきとの声がありました。ボタンの配置といった基本的な部分のほか、写真を大きくみせる、インターフェースによって写真を隠さないといった改善を行っています。

 Matt DiMaria氏:技術的なところとは別に、ウェブサイトやサポートページなどの日本語化、充実化を行っています。ですから、単にサービスを開始するだけでなく、総合的に最適化し、扱いやすくしたうえでEyefiクラウドを公開しているのです。

――Eyefiクラウドの公開に合わせて“Eyefiブランド”を変更しましたが、どんな意味があるのでしょうか。

 Matt DiMaria氏:ブランドを変えるという作業の中で一番重視したのが、“我々が写真に対してもっている情熱”をブランドを通じて如何に伝えるかということです。Eyefiは、カメラマンの“目(Eye)”つまりフォーカスを合わせるというのと、“通信(Wi-Fi)”という意味を掛け合わせています。今回のブランド変更(「Eye-Fi」→「Eyefi」)で“-(ハイフン)”を抜きましたが、これはWi-Fiという通信のイメージからより写真にフォーカスするというメッセージが込められています。

アイファイジャパン代表取締役の田中大祐氏
アイファイジャパン代表取締役の田中大祐氏

 田中大祐氏:今回のブランド変更についてですが、会社名、製品名のすべてを「Eyefi」として頭文字を大文字の「E」としています。ただ、製品のパッケージなどで逆に頭文字を小文字にして「eyefi」のロゴで展開しています。

――Eyefiクラウドの価格設定について伺います。既存のクラウドサービスでは、容量に上限を設け、拡張領域を月額で支払うという形が主流です。しかし、Eyefiクラウドは月額設定はなく、年額(5000円)です。その理由を教えてください。

 Matt DiMaria氏:まず、Eyefiクラウドというのはオプションであり、必ずしも登録は必要ありません。必要に応じて利用することができるわけです。利用についても、「Eyefi Mobiカード」を登録することで90日間Eyefiクラウドを無料で利用できます。Eyefiクラウドというサービスの立ち位置は、いわゆる“オンラインストレージ”ではなく、“同期させる”というものです。そして、同期した写真データは、さまざまなデバイスを通じて見られます。90日間という無料期間は、Eyefiクラウドを体験してもらうためのファーストステップなのです。

 ユーザーが撮影したあらゆる写真データは、Eyefiクラウドで集中管理できます。それが月コーヒー一杯分の値段でできるわけです。アップロード容量に上限は設けていないので、撮れば撮る(アップロードする)ほどEyefiクラウドの便利さは体感していただけると思いますし、価値も上がると思います。また、既存の“オンラインストレージ”との差別化という意味では、Eyefiクラウドはよりカメラ、写真と密接な関係にあるというのが答えになります。年額設定については、将来的には月額という選択肢ももちろん考えています。

――現状Eyefiクラウドには画像の編集機能を搭載していません。搭載の予定はあるのでしょうか。

 Matt DiMaria氏:Eyefiクラウドは画像を一元管理できるのが特徴のサービスですから、例えばスマートフォンにダウンロードして加工して再びアップロードするといった使い方ができます。また、Eyefiクラウドに編集機能を搭載しないのではなく、ユーザーの要望を確認している段階ですので、今後搭載する可能性はあります。ただ、Eyefiクラウドにおける機能追加というのは、一般的な機能をリプレイスするというのではなく、すでに展開しているサービスとパートナーになるほうが可能性は高いと思います。仮に搭載するとしてもベーシックなものになると思います。

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