BitTorrentはなぜ、「Windows」向けの新しいチャットプログラムに「Bleep」(テレビなどで放送禁止用語を伏せるために使われるピー音のこと)という名前を付けたのだろうか?
「われわれは決して、ユーザーのメッセージやメタデータを見ることはない」と、BleepのシニアプロダクトマネージャーであるJaehee Lee氏は米国時間7月30日、この新しいアプリを発表したブログ投稿の中で述べている。「われわれから見ると、ユーザーの発言にはすべて『ピー音が入った状態』となるわけだ」(Jaehee Lee氏)
このチャットアプリケーションは、メッセージの内容を絶対に漏らさないと誓っており、BitTorrentのP2Pファイル共有サービスと同じ分散型アプローチを採ることによって、インスタントメッセージのトラフィックの暗号化という、技術的な難問を一挙に解決している。「Windows 7」と「Windows 8」のユーザーは、サインアップすればBleepのプレアルファ版が入手可能だ。
これまで名前がなかったこのインスタントメッセージングアプリと同アプリを動かすためのエンジンは、1年近く前から開発が続けられており、BitTorrentのダウンロードサービスと同じく、分散化によってメッセージングプロトコルのセキュリティを向上させている。BleepはWindows版のみが30日からダウンロード可能になったが、これは完成度の低いプレアルファ版だ。関心のある人は誰でも招待状をリクエストできるものの、もっと安定するまでは使わないのが得策だろう。
他のプラットフォーム向けのBleepは、Windows版の実用性がある程度高まった段階で登場すると見られる。Bleepはいかなるメタデータも保存しないため、メタデータの収集を管理する法的基準には影響されない。メッセージの送信相手とはネットワーク内の他のノードを介して接続されるため、連絡先情報が1つの場所に集約されて参照されることはない。エンドツーエンドの暗号化には、「curve25519」「ed25519」「salsa20」「poly1305」などの高度な暗号化プロトコルが利用される。これらの機能が適切に実装されているとすれば、Bleepは非常にセキュアなサービスになるだろう。
Bleepは現在、オンライン状態の相手とのテキストメッセージのやり取りと音声通話をサポートしており、アプリケーションはWindows 7と8で動作する。「Android」と「Mac OS X」のサポート開始は、数カ月後にBleepのアルファ版がリリースされる頃となる予定だ。また、オフラインでの利用と複数デバイスへのインストールが可能になるのも、先の話になる。したがって、現時点でBleepはWindowsでしか利用できないだけでなく、特定の1台のWindowsコンピューターでしか利用できないが、この状態は開発が進むにつれて変わっていく見込みだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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