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「Chromebook」は本当に仕事で使えるのか--グーグル担当者に聞く

藤井涼 (編集部)2014年07月30日 11時30分
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 グーグルは7月14日、日本国内の企業や教育機関向けに、ノートPC「Chromebook」の提供を開始した。すでに日本エイサーが7月16日から「Acer Chromebook C720」を販売しており、今後はAsusデル、日本HP、東芝などが新製品を投入する予定だ。ただし、残念ながら個人向けの販売については未定となっている。

 Chromebookは、独自OS「Chrome OS」を搭載したノートPC。オンラインでの使用を前提に構成されており、Gmailやドキュメント、スプレッドシートなどのウェブアプリが利用できる。当初はネット環境のない場所での作業は難しかったが、現在はオフラインでも使用できるアプリが数多く提供されている。

 特に企業が懸念するセキュリティについても、自動アップデートにより常に最新の状況を保てるほか、データの暗号化や、ウイルスが他のアプリなどに感染しない「サンドボックス」によって高い安全性を確保できるという。

 また、法人・教育機関向けにあわせて提供される「Chrome管理コンソール」を使用することで、組織内で利用する複数のChromebookのユーザー、デバイス、アプリなどを、管理者が一括管理できるようになる。グーグルによれば、Chromebookを導入した場合、従来のPCと比較して3年間で約50万円の管理費が削減できるという。


左からグーグル エンタープライズ部門マネージングディレクターの阿部伸一氏と、同部門 SMB セールスプロダクト&テクニカル マネージャの佐藤芳樹氏

 さまざまなメリットがあるように見えるChromebookだが、実際に企業が導入した際に本当に業務に活用できるのだろうか、また期待される個人向けの販売については――グーグル エンタープライズ部門マネージングディレクターの阿部伸一氏と、同部門 SMB セールスプロダクト&テクニカル マネージャの佐藤芳樹氏に聞いた。

――Chromebookは従来のノートPCと何が違うのでしょうか。

 阿部氏 : 恐らく出発地点が違うのだと思います。これまでのPCは、OSもアプリも、アプリで作ったデータも基本的にはローカルにありましたが、Chromebookではこれらが100%クラウド上にあるのです。ほとんどの作業はウェブの世界で出来るという発想のもと、ウェブブラウザを中心にPCやデバイスを考え、そこにChrome OSを載せる。そうすれば、文房具のようにいつでもどこでも、どんな情報にもアクセスできるようになります。

 また、自分の働き方などを変える際には、色々な人とアイデアを交換しなければなりませんが、Chromebookや「Google Apps」を利用すれば、組織内でのコラボレーションなども容易になります。また仮に1人だったとしても複数の取引先とのやりとりなどに活用できます。これが、企業や教育機関向けに取り組んでいく一つの大きな理由でもあります。

――既存のノートPCとシェアの奪い合いになるのでしょうか、それともスマートデバイスのような新たな位置づけとなるのでしょうか。

 阿部氏 : そこは多分、ユーザーの皆様に答えを出していただく部分なのかなと思います。ChromebookでこれまでのPCと全く同じ使い勝手とはいかないところもありますが、一方でセキュリティの管理が容易になったり、コストが大幅に下がったりするなどのメリットもあります。こうした新たなベネフィットを手に入れようとすると、当然そこで自分の使い方も変えていかないといけませんので、ユーザーの皆様がどう選択されるかということかと思います。

  • 各社の「Chromebook」

 実際に私はChromebookだけで1日すべての仕事をしています。メールに添付ファイルがあればOfficeのウェブアプリで読めますし、変換しなくてもブラウザ上で編集までできてしまいます。欧米を中心に、どの範囲までならChromebookをすぐに導入しても問題を起こさず、また使い勝手を変えなくて済むのかを診断する企業向けサービスなども出始めています。そういうものを日本のお客様にご紹介して、色々とテストをしていただきながら、どこまでならChromebookを活用できるのかを正しくご理解いただけるようにしたいと思っています。

 海外では、ある1000人規模の企業で社員の7~8割がChromebookに切り替えられるという調査結果が出ています。2013年度における米国法人向けのノートPCの5台に1台、つまり約2割がChromebookを選択いただいているという調査結果も出ています。もちろん企業内で、ヘビーにマクロやソフト固有のスクリプトなどを使っている方は移行の手間を考えないといけませんが、通常の読み書きソロバンくらいの作業であればウェブアプリでも十分にできますし、むしろ管理が容易になります。

――企業や教育機関向けの「Chrome管理コンソール」では、具体的にはどのようなことができるのでしょう。

佐藤氏 : 社員が端末をネットワークにつないで、会社用のIDとパスワードを入力するだけで紐付いている管理コンソールに自動で登録されます。管理者は、エンタープライズやオペレーションなど部門や組織ごとに設定をコントロールできます。たとえば、30分ごとに設定したアプリを適用する、ログアウトの際にローカルのデータをすべて消去する、USBなどの外部デバイスでデータを持ち出せなくする、などです。クラウドですので台数の制限などもありません。

 また、これまでは管理者1人がすべての権限を持つという企業もあったかと思います。これが管理コンソールではたとえば地域の担当者ごとにセキュリティ権限を渡して、全体の部分は本社で持っておくといった管理が可能です。この一括管理できる点と、権利委譲が柔軟にできる点は企業にも望まれていると思います。

  • 紐付いた端末を一括管理できる

  • 外部デバイスの使用なども細かく制限できる

  • 時間を設定してウェブアプリを一括でインストールすることも可能

 決まったアプリの実行だけを許可する、いわゆる「キオスクモード」も標準で搭載しています。これにより、たとえば病院の入口に設置して特定のアプリしか起動できないようにしたり、誰が触るか分からない公共の場所で一定時間ごとにリブートしてデータ消去したりできます。海外では、デジタルサイネージのような使い方もされ始めています。

――Chromebookは世界30カ国で販売されているそうですが、どのような企業や人に使われているのでしょう。また活用事例があれば教えて下さい。

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