日本エイサーは7月23日、グーグルが開発したOSを搭載した国内初のノートPC「Acer Chromebook C720」(C720)を披露した。7月16日から法人・教育機関向けに販売しており、個人向けの販売については未定としている。
C720は、11.6型の液晶ディスプレイ、1.4GHzのインテル Celeronプロセッサ、4Gバイトのメモリ、16GバイトのSSDを搭載する。7秒以下の高速起動が可能で、バッテリ駆動時間は最大8.5時間。サンドボックスやデータ暗号化などのマルチセキュリティも内蔵する。本体サイズは高さ19.05mm×幅288mm×奥行き204mmで、重量は約1.25kg。
同社の代表取締役社長であるボブ・セン氏は、「Acerは2012年にいち早く米国市場にChromebookを投入した。特に(初代モデルの)C7とC720はNPDの調査でChromebookの米国シェアで1位だ」とアピール。日本展開が2014年7月になったことについては、グーグルの戦略やChromebookの海外での動向を見ながら検討していたためだと説明し、「やっと今日紹介できる」と喜びを語った。
米国では各社のChromebookが200~300ドルで販売されている。C720の価格はオープンとしているが、日本エイサーによれば米国の同モデルよりハイスペックなことや、日本語キーボードが搭載されていることから、もう少し価格は上がるという。
同日の記者発表会では、C720が日本の10の教育機関に先行導入されていることも明かされた。その一例として紹介された広尾学園では、2013年からトライアルを開始し、2014年5月から高校1年生の1クラス(35人)に本格的に導入しているという。
同クラスの生徒は、ChromebookとGoogle Appsなどを活用して、スケジュール共有やレポートの提出、学園祭の打ち合わせなどをしている。また、従来の説明型の授業をビデオなどを通じて自宅で予習し、教室ではこれまで宿題とされていた応用課題を対話的に学ぶ「反転学習」も取り入れているという。
教師は「Chrome管理コンソール」を使用することで、クラス内で利用する複数のChromebookの設定やアプリなどを一括管理できる。これにより初期設定の時間を大幅に軽減できるほか、学校の規定が変わったり、保護者からの要望があったりした際に、すぐにシステムに反映できる点も強みだとした。
なお、法人についてもすでにトライアルで数社が導入している。ただし、全社員というわけではなく、実際に活用できるかを見定めるために1~2台ずつ導入している企業が多いという。
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