Microsoftの幹部陣はこの1年間ほど、「Windows」がどこに向かっているのかを説明するのに苦労している。
最高経営責任者(CEO)のSatya Nadella氏が米国時間7月22日、決算発表の場で何気なく述べたコメントのせいで、その苦労は今も続いている。
Nadella氏は決算発表を聞いていた報道陣とアナリストに対して、「われわれは次期バージョンのWindowsを合理化し、3種類のOSをあらゆるサイズの画面で利用可能な単一のOSに統合する」と述べた。
これは、1つのWindows OSがスマートフォンとタブレット、PC、およびゲーム機で動作するということだろうか。
実はそうではない。先程紹介したコメントの後、Nadella氏は発言の真意を明確に説明しようと試みた。
「One Windows」(1つのWindows)の本当の意味は以下の通りだ。
1. 単一のチームが全種類のWindowsの開発を担当する。このチームは、Microsoftが2013年7月にTerry Myerson氏を統括者とする統合Operating System Groupを創設したときに設置された。このチームは、「Windows Phone」OSと「Windows Embedded」、Windows(PCおよびタブレット向け)、「Xbox One」OSの開発を行う。
2. 単一の「コア」。Windows Phoneと「Windows 8」「Windows RT」、および「Windows Server」はすべて「NT」コアとして知られる共通の「コア」の上に構築されている。Microsoftは階層型アーキテクチャアプローチを採用しているので、それぞれのOSは、基盤となるフォームファクタ/ハードウェアにとって理にかなうさまざまな部品を使って、このコアの上に構築される。
3. すべてのプラットフォームを対象とする、統合された「Store」とコマースモデル。Microsoftはこの1年間、「Windows Phone Store」と「Windows Store」を統合するためにさまざまな手段を講じてきた。しかし、すべてのプラットフォームで利用可能な単一のストアという目標を達成するまでの道のりは、依然として長い。Windows PhoneとWindowsの次期メジャーバージョン(いずれも「Threshold」という開発コード名が付けられている)で、単一のStoreが初めて公開される可能性はある。「Xbox」アプリがいつそのStoreに追加されるのかは、よく分からない。
4. 統合された開発者プラットフォーム。将来、開発者は一度コードを書くだけで、それをすべてのWindowsエディションで実行できるようになる、とMicrosoft幹部陣は何年も前から約束してきた。それを実現するため、MicrosoftはWindows PhoneとWindows、およびXbox OS向けアプリ構築に向けてAPIのコアセットと開発者ツールを可能な限り統合しようと試みている。
逆に「One Windows」が意味しないことは何か。Windows SKUが1つや2つになるということはない。今後も複数バージョンのSKUが用意される予定だ。Nadella氏は決算発表の電話会議で次のように述べている。
「当社のSKU戦略は今後もセグメントごとのままだ」とNadella氏は述べる。「エンタープライズ向けに複数のSKUを用意するし、OEM用のものも用意する。エンドユーザー向けのものも用意する・・・SKUの情報はいずれ開示し、説明する予定だ」(Nadella氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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