Adonitは2011年、「iPad」で使用できるスタイラス「Jot」の資金集めをKickstarterで開始して注目を集めた。その理由として、この初代Jotがペン先に導電性を持った透明なディスクと直径1.5mmの球状のボールポイントをつなぎ合わせた機構を採用していたことにあった。
当時、静電容量式タッチスクリーン対応スタイラスの多くは、導電性のある直径5mm〜7mm程度の丸みを帯びたゴム素材をペン先に使用していた。このようなペン先の場合、どの部分がスクリーンに触れているか分かりづらく、思った場所に線を描くことが難しいという問題があった。これに対してJotの場合、独自の機構をペン先に使用することで、どの部分に線が描かれるかを分かりやすくしていた。
そのAdonitが米国時間6月18日、同社の新しいスタイラスとして「Jot Touch with Pixelpoint」を発表した。Jot Touch with Pixelpointは、これまでの同社製品とはまったく異なるペン先を採用しているのが特徴となっている。
Jot Touch with Pixelpointのペン先は、Adonitの「Pixelpoint」技術を採用することで2048レベルの筆圧感知が可能となっている。ペン先にかかる筆圧はBluetooth接続でiPadに伝えられる。筆圧感知のレベルは前モデルの「Jot Touch 4」から変わりはない。しかし、Jot Touch 4がペン先に初代Jotと同様にディスクとボールポイントで構成される機構を使用しているのに対し、Jot Touch with Pixelpointは単体のペン先を採用している。このペン先は、直径3.18mmの円錐台状で、導電性のあるプラスチック素材を使用しており、色も黒くて不透明だ。通常の鉛筆やペンに近くなった印象を受ける。
ペン先が変わったことでまず喜ばしいのは、キャップが不要となったことだ。Jot Touch 4は、ペン先のディスクの紛失や破損に備えて、未使用時にはキャップを付けて保護する必要があった。Jot Touch with Pixelpointは、ディスクがないのでキャップによる保護は必要ない。そのため、Jot Touch with Pixelpointの使用を開始するにあたり、キャップを最初に外すという動作が不要になっている。さらに、外したキャップを紛失しないようペン後部に取り付けおくという動作も不要だ。
また、Jot Touch 4の場合、ディスクがiPadのスクリーンと平行になっていない状態でペン先をスクリーンに置くと、まずディスクの周辺部がスクリーンに当たり、それからディスク全体がスクリーンに当たるという2段階の接触感があり、線の描き始めに違和感を覚えることがあった。しかし、Jot Touch with Pixelpointの場合、そのような違和感はない。
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