「Android」と競合するOS「Tizen」が、またもや苦境に立っている。ロシアで予定されていた「Samsung Z」の発売が延期されたのだ。
Samsung Zは、サムスン初のTizen搭載スマートフォンだ。さまざまな企業がGoogleのAndroidに対抗するOSの開発を目指す中で、Tizenは、数年前からテクノロジ業界内で話題になっていた。Androidは現在、大きな成功を収めているサムスンのスマートフォンおよびタブレットシリーズ「GALAXY」に搭載されている。
だが、それはサムスンがGoogleに依存しているということであり、さらには、GALAXYユーザーがアプリに使うお金も、サムスンではなくGoogleに流れるということだ。サムスンは、独自のOSを開発することでこの依存を断ち切り、アプリから得られる利益の一部を取り込みたいと考えている。
いずれにしてもそれはこれからの話で、今のところサムスンは、かなり長いことお預けになっているTizenスマートフォンで問題を抱えているようだ。Samsung Zは6月にサンフランシスコで初めて披露され、ロシアのモスクワで現地時間7月10日に開催されたTizen開発者向けカンファレンスで本格デビューを飾ると予想されていた。残念ながら、長いこと待たされながらこのイベントに参加した開発者たちにサムスンが用意できたのは、またしても試作品だけだった。
Tizenの発売延期は今回が初めてではなく、一度は日本で発売される計画だった。だが、日本の移動体通信事業者NTTドコモは一転して慎重姿勢になり、「現時点で、3つのOSをサポートできるほど市場は大きくない」ことを認めていた。
The Wall Street Journalの報道によると、サムスンは「今後、アプリケーションのポートフォリオを十分にそろえてユーザーに提供できるようになった時点で、このスマートフォンをロシア市場で発売する」と約束しているという。ここから推測できることとして、サムスンはTizen向けアプリの不足を不安視しているようだが、新しいOSにとってこれは永遠のジレンマだ。誰も持っていないスマートフォン向けにアプリを作成する開発者はいないが、アプリがまったくないスマートフォンを買う人もいないのだから。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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