欧州の新しい法律に伴い、ユーザーの要請があった場合に検索結果へのリンクを削除することを求められているGoogleは、その対応に苦戦している。
Googleの最高法務責任者(CLO)を務めるDavid Drummond氏は米国時間7月10日に掲載されたコラムで、5月に「忘れられる権利」を認める判決が下されて以来、25万もの個別のウェブページにわたる7万件を超える削除要請が同社に寄せられていることを明かした。ほとんどの場合、ユーザーからの情報が乏しく事情があまり示されていない中で、Googleのチームはそれらの要請を確認しているという。
Drummond氏は、Googleは今でも判決には異論があるが、それに従うためにできる限りのことをしていると述べた。どの検索結果を削除するべきかという判断に用いられる審査基準は「非常にあいまいで主観的」であるため、容易な作業ではないと同氏は付け加えた。
Drummond氏によると、どの要請に応じるべきかを判断するために、Googleのチームはいくつかの項目を考慮に入れているという。情報は、有名人などの公的な人物に関するものか。信頼できる情報源からのものか。発信された時期はいつか。政治的意見に関連するか。政府が発信した情報か、などの項目だ。しかし、どれだけ多くの基準を取り入れても、「判断は常に困難で、議論の余地が残る」という結果になることをDrummond氏は認めた。
Googleはこの作業の緩和を目的に、専門家で構成される諮問委員会とDrummond氏が呼ぶものを設置した。目的は、報道機関、学術機関、技術業界、データ保護などの分野の人物から独立したアドバイスを得ることで、Googleはそのアドバイスによって、明らかに気に入らないが従わなければならない法律に対処するつもりだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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