「au WALLET」の勢いが止まらない――5月21日のサービス開始時の事前申込数は20万件だったが、それからわずか9日後の5月30日に100万件を突破。さらに、6月15日には200万件、6月30日には300万件を超えた。「予想を上回る好調ぶり」と、KDDI新規事業統括本部 新規ビジネス推進本部 事業開発部長の中井武志氏は手応えを語る。
au WALLETは、コンビニや飲食店、映画館、ネットショッピングなど、約3810万あるMasterCard加盟店での買い物に利用でき、どこで使ってもポイントが貯まるプリペイド型の電子マネーカードサービス。専用のスマートフォンアプリからカードの残高を確認でき、決済するとすぐに金額が反映される。クレジットカードのように審査や年会費が必要ないため、学生などでも気軽に持てることも特長だ。
イメージとしてはポイントが貯まる「デビットカード」に近い。買い物した瞬間に口座から金額が引き落とされるデビットカードは米国などでは一般的な決済手段となっているが、現金社会の日本ではまだまだ認知度は低い。そのため、サービスの概念が理解されにくいのではないかという懸念もあったが、“どこでも使えてポイントが貯まる”というコンセプトが顧客に響き、滑り出しは好調だと中井氏は語る。
また、サービス開始にあわせて実施した大々的なキャンペーンの効果も大きかったという。6月30日までに申し込んだ顧客にもれなく1000円分のポイントを付与し、初回チャージに限りチャージ額を10%増額。子会社のじぶん銀行からチャージするとさらに5%を増額するキャンペーンを展開した。じぶん銀行の1回のチャージ額の上限は2万5000円のため、これらをすべて適用した人は、登録時から最大4750円のプラスになる。中井氏によれば、じぶん銀行の口座開設数はサービス開始前の4倍に急増しているという。
ただし、1日に生産できるau WALLETカードの枚数が約4万枚だったことから、申込件数に対して生産が追いつかず、現在も発送が遅れている状況だという。そこで徐々に生産数を上げ6月末時点で1日4万8000枚まで生産できるようにした。7月1日からはさらに増産体制を強化。1日8万枚まで生産可能にし、少しでも早く顧客のもとにカードを届けたいとしている。
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