米政府は閉鎖に追い込まれた違法薬物取引サイト「Silk Road」から押収した3万近くのBitcoinを競売ですべて売却したが、それを購入したのはシリコンバレーの著名な投資家であるTim Draper氏だという。ビジネスパートナーの1人が米国時間7月2日に明かした。
Bitcoin取引所Vaurumの最高経営責任者(CEO)であるAvish Bhama氏のブログ投稿によると、先週実施された競売で米連邦保安官局から2万9656枚のBitcoinを購入したDraper氏は、今回手に入れたデジタル通貨を利用して新興市場を支援するため、Vaurumと連携しているという。シリコンバレーのベンチャー企業Draper Fisher Jurvetsonの共同創設者であるDraper氏は先頃、カリフォルニア州を6つの州に分割する運動で注目を集めた。
Bhama氏はDraper氏の声明をブログ投稿に掲載した。
「弱い通貨を持つ新しい市場経済で事業を行うのは大変だが、Bitcoinはそうした苦労を取り除くことができる。Vaurumと今回新たに購入したBitcoinの力を借りて、われわれは、弱い通貨が足かせになってきた市場に流動性と信頼を提供する新サービスを創出したいと考えている。もちろん、自国の通貨を保持していても完全な安全は保証されない。われわれは、Bitcoinを保持したり、取引したりすることで、弱くなっていく通貨から自分の身を守れるサービスようにしたいと考えている」(Draper氏の声明)
Bhama氏によると、Draper氏とVaurumは、これらの新興市場がBitcoinにとって安定した経済を確立するのを支援したいと考えているという。Bitcoinは近年、人気と価値の両方が高まっているデジタル暗号通貨だ。ほかの通貨と同じように使うことが可能だが、取引手数料は格安で、銀行規制の対象にもならない。
2日現在、Bitcoin1枚の価値は約650ドルなので、Draper氏が今回購入したデジタル通貨は約2000万ドルに相当する。
Draper氏が今回購入したBitcoinは、2013年秋に閉鎖された違法薬物取引サイトのSilk Roadから政府が押収したものだ。入札希望者は20万ドルを政府銀行に電子送金して、12時間の競売への参加登録を行った。米連邦保安官局はBitcoinを1人の入札者に売却したことを発表したが、その人物の素性は明かさなかった。米連邦保安官局は競売開始直前に誤って入札希望者リストを流出させてしまったが、そのリストにDraper氏の名前はなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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