この数年間、匿名を維持しようと最善の努力を尽くしてきたBitcoin創設者の中本哲史氏が、発見されたかもしれない。
Newsweekは米国時間3月6日、Bitcoin生みの親を突き止めようとかなりの時間を費やしてきたが、意外にも同氏がカリフォルニア州テンプルシティに住んでいるらしいことがわかったと報じた。苦労の末ようやくナカモトサトシという名前の64歳の男性にたどり着いたものの、同氏はNewsweekの取材を拒んだだけでなく、訪問した記者を通報した。警察が到着した後、Newsweekが数週間にわたって何とか連絡を取って見つけ出そうとしてきたナカモト氏が、ようやく口を開いた。
「私はもう(Bitcoinには)関与しておらず、議論する立場にない」と同氏はNewsweekに対して述べたという。「他人の手に引き渡されたのだ。彼らが現在、管理している。私はもう何の関わりもない」(ナカモト氏)
Newsweekによると、その日、警察の前で話をしたこの男性は、4億ドル相当のBitcoinを所有しているにもかかわらず、カリフォルニア州の質素な家に住んでいるという。その男性は、「しわくちゃなTシャツに古いジーパン、白の運動用靴下を身に着け、靴は履いておらず、あわてて家を出てきたような格好」だったとNewsweekは記している。
中本氏は、Bitcoinの人気急騰が主な原因となって、ハイテク業界の著名人になっている。仮想通貨Bitcoinの生みの親だと一般的に考えられているが、同氏は実際、1度も正体を表したことがない。さらに悪いことに、Newsweekによるとナカモトサトシという名前はややよくある名前であるため、本人の確認が一層困難だという。
しかし、Newsweekがカリフォルニア州在住のこの男性の調査を続けるうちに、バラバラだったパズルが1つにまとまったように見えた。ナカモト氏は家族の間で天才として知られている。ただし、家族の誰も、彼がBitcoinの発明に関与していたかもしれないことをまったく知らなかった。さらに同氏は、カリフォルニア州立ポリテクニック大学で物理学の学位を取得しており、仮想通貨の開発に必要なスキルを持っていたと考えらえる。同氏は、連邦航空局(FAA)に勤務してセキュリティと通信に携わっていた経歴もあった。
それでも、Newsweekは、カリフォルニアで見つかったこの男性が実際にBitcoinを発明した人物ではないかもしれないと、明記している。何しろ、日本では複数の人物が、自分こそが本物の中本だと主張しているのだ。「中本哲史」がBitcoin創設者の本名ではないという可能性もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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