いよいよ新会社「VAIO株式会社」が始動した。7月1日付で、ソニーから日本産業パートナーズへのPC事業の譲渡が完了したことを受けたもの。
VAIO代表取締役社長の関取高行氏は、「ようやくスタートラインに立てた」と挨拶。組織の発足にあたり、考えたコンセプトは「PCの本質を追究し続けるということ」と話した。
VAIOが考えるPCの本質とはなにか。これまでPCが担ってきた作業のうち、ちょっとした作業はタブレットやスマートフォンに置き換わってきているのは周知のとおりだ。それを踏まえつつも、「真剣に向き合う作業や生産性を上げる、何かを生み出す作業はPC。ここにいる皆さんもPCがなくなることは考えずらいのではないか。強い言い方だが、PCはなくならないんだ、という強い信念を持っている」と語った。
これまでVAIO事業の拠点としてきた長野県安曇野市に本社を構え、経営・開発・製造一体で運営していく。企業のフィロソフィーとして「本質の追求」「制約に縛られないこと」「VAIOのDNAの継承」を掲げ、商品を通じて顧客価値の最大化を目指す。
ソニー時代、国内だけでも1000人以上のスタッフを抱えていたVAIO事業。「社員数240人という小さな会社になった。だからこそ、今まであったしがらみから開放され、思い切りのよい選択と集中ができる。この規模なら、1人1人の思いを形にできる」(関取氏)と想いは熱い。機動力のある組織の利点を生かし、継承する事業の経営資源を最適化することにより、継続的な成長とVAIOブランドの更なる向上に努めていくとしている。
VAIOのコーポレートロゴは、これまでの製品で使用してきたロゴと同じもの。コーポレートカラーは理性の「青」と感性の「紫」の意味を込めて融合し、新たな小豆色となった。「この色にわれわれの思いを込めたい。日本発としてのブランドの誇りをもって、このコーポレートカラーと歩んでいく」(関取氏)とした。
日本国内における販売は、VAIOとソニーマーケティングが6月16日付けにて販売総代理店契約を締結。ソニーマーケティングを販売総代理店として国内での販売活動を行うことに合意した。7月1日より、ソニーマーケティングが持つ個人、法人向けの販売プラットフォームを活用し、VAIOが手がけるPCを販売していく。量販店は、今後一部の店舗で受注できるようにしていく方針だ。
まずは、8月から「VAIO Pro (11.6型/13.3型)」「VAIO Fit(15.5型)」の機能を厳選し、変更を加えた新モデルを発売する。ソニー時代に人気のあった代表モデルだ。当面は日本を中心に据え、この2シリーズ3機種でビジネスを軌道に乗せたい考えだ。2015年度に30万~35万台の販売を目標とする。
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