起業家の失敗談をテーマにしたカンファレンス「FailCon」が6月18日に都内で開催された。FailConは、起業家などの失敗談を参加者に共有し、次の成功につなげようと2009年からサンフランシスコで開催されているカンファレンスだ。その日本版である「FailCon Japan」が開催され、起業における失敗、サービス開発や事業開発における失敗談などが語られた。
「在学中・大学卒業直後に起業すべきか、一度就職すべきか」と題したセッションには、nanapi共同創業者の古川健介氏、Moneytree創業者のPaul Chapman氏、Leading Mark創業者の飯田悠司氏、VOYAGE GROUP事業プロデューサーの椿奈緒子氏が登壇した。
企業と新卒学生の人材マッチングのサービスを提供している飯田氏は、学生時代から起業した1人だ。飯田氏は、青臭い思いを持ったままチャレンジする期間が長いことがメリットだと語る。しかし、学生起業は視野が狭くなりがちなため、始める事業が似たり寄ったりになってしまうこともあるという。
「重要なのは、自分は何も経験していないということを自覚すること。そうしたマイナスを補うために、経験ある人、例えば1000万ユーザーレベルのサービスを経験してきたエンジニアなどを雇う意識を持つこと」(飯田氏)。
家計簿アプリMoneytreeを運営しているPaul氏は、大学在学中に一度SaaSスタートアップの「cvMail」を立ち上げ、事業を売却した後に就職。2012年に日本でMoneytreeを立ち上げた連続起業家だ。
「最初の起業は、関係が希薄な人たちと起業したため相手の考え方や価値観を理解できず、当時は毎日喧嘩をしていた。同じ価値観を持つ人と仕事をするほうがいい。それは今の会社で活きている。一度組織の働き方を経験したことで、組織をどのようにマネジメントするかを理解することができた。起業するならば、ぜひ同じ思いを持った人とやるべき」(Paul氏)。
起業家ではなく、社内起業家としてさまざまなプロジェクトの立ち上げを経験している椿氏は、「事業を作り、世界にインパクトを与えたいといつも考えており、問題解決型のサービスドリブンなイメージをもっている。起業は手段であって目的ではない。解決したい問題があり、もし社内プロジェクトでできないならば、起業するかもしれない、という考えを常にもっている」と語り、起業することを目的にしてはいけないと語る。
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