logo

1億円の赤字と離反--苦難を乗り越えたクラウドワークス吉田氏の教訓

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 起業家の失敗談をテーマにしたカンファレンス「FailCon」が6月18日に都内で開催された。FailConは、起業家などの失敗談を参加者に共有し、次の成功につなげようと2009年からサンフランシスコで開催されているカンファレンスだ。その日本版である「FailCon Japan」が開催され、起業における失敗、サービス開発や事業開発における失敗談などが語られた。

 「市場と仲間の選び方:1億の赤字と役員の離反で学んだこと」と題したセッションには、クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」の創業者である吉田浩一郎氏が登壇。起業やクラウドワークスが生まれるまでに経験した幾度もの失敗を踏まえた教訓を語った。

手当たり次第に事業に取り組み、失敗した3年間

 新卒でパイオニアに入社した吉田氏は、その後外資系企業に転職。起業に興味があり、ビジネススクールにも通った。2004年にはインターネットの面白さに気づきドリコムに入社。役員としてマザーズ上場を経験し、自分自身で起業したいと考え2007年に独立した。

 「初めは、会社を作ったけれど何をしたらいいか分からなかった。会社員時代は、すでにあるサービスを成長させたり、周りのメンバーと一緒に作っていく仕事だったが、起業は自分で一から作らないといけない。何もしなければお金は減る一方のため、まずは手当たり次第に仕事を作っていかなければ、という思いだった」(吉田氏)。

  • クラウドワークス代表取締役社長の吉田浩一郎氏

 独立から3年間、クラウドワークスを創業するまでに手を出したビジネスは数多く存在する。初めに手がけた中国のワインビジネスは、輸入代行業者が途中で失踪。次に手がけたハーブ輸入ビジネスも、大手雑貨店舗を手がける企業と契約すると途中で失敗。F1のグッズの販売権を一括して引き受ける会社への投資は、数年におよぶ大掛かりな詐欺だと判明。

 マレーシアでは、土地を買って国を作らないかと持ちかけられ、土地を視察し最後に手渡された書類がマレー語で判読できず諦めた。男性専用のスカートECサイトの立ち上げは、メディアの注目が殺到するも市場があまりに小さく在庫投資による赤字撤退など、さまざまな事業経験と失敗談を話した。

 「2年間、小さなオフィスでなんとか生きながらえてきた。営業力には自信があったので、コンサル事業や受託をやりながら儲けた利益のほとんどを新規事業に充てていた」(吉田氏)。

 次に手がけたのが、ベトナムでの日本のセレクトブランドのアパレル事業だ。現地の協力者も集まり、イベント販売も好調だったことから店舗とeコマースサイトを立ち上げて運営し始めた。事業は順調に成長しつつも、もともとアパレルビジネスのノウハウを持っていなかったことから、在庫を抱え1億円もの投資をしながら事業を進めていたという。そうした折に、日本の収益を担っていた事業担当役員が、取引先のほとんどを抱えて独立。事業を成長させることができず、日々積み上がっていく赤字に対処できなかったことから、絶望的な状況に陥ったと吉田氏は振り返る。

 「あまりに絶望的な状況で、離反した役員の姿が1カ月くらい夢に出てくるほど恨んだ」(吉田氏)。

-PR-企画特集