1つ目のステップが日本に投入するまでだとしたら、2つ目のステップがまさにそこで、日本の家庭に受け入れられるか、ということでした。実は日本市場への導入が決まってから約2カ月かけてホームプレイスメントテストを実施しました。
これは一般のご家庭にhueを持ち込み、こちらからは何も伝えずパッケージを渡して使ってもらいます。ご協力いただいたご家庭の方は、箱を開けてみてはじめて電球であることがわかるわけです。
私たちは、箱を開けてから皆さんがどういう行動をするか見させてもらうのですが、まずみなさんつける場所を探されるんですね。hueにはかなり薄いマニュアルしか付属していないのですが、それだけでも十分に照明器具につけて、ブリッジをWi-Fiにつなげて、アプリをダウンロードしてという工程をクリアされます。
ホームプレイスメントテストを実施した結果、かなりの確率で使いこなせることがわかりました。ただその時に、家庭に照明器具が少ないことも問題点としてわかってきました。欧米は間接照明文化なので、家庭内にたくさんの照明器具があるんですね。しかし日本はいわゆるシーリングライトが1つあればそれで済んでしまう。
日本で照明は明るく照らす「機能」が大事ですが、欧米では「きれいに見せる」「雰囲気を出す」といったことも照明の重要な要素です。
日本でのホームプレイスメントテストを通じておそらくhueは受け入れられるだろうと実感しました。ただし家庭内への導入は平均3個程度だということもわかりました。スターターパッケージはいいとしても、それ以上の購入を増やしたり、間接照明を導入するのは難しいと感じました。
日本というか東アジア特有の照明器具ですね。そのためこの地域では照明器具の数が欧米に比べてかなり少ない。それならば、照明器具を家庭に増やしてもらおうとはじめたのが、Francfranc(フランフラン)やTHE CONRAN SHOP(ザ・コンランショップ)でのhueの販売です。
これらのショップに来るお客様は、間接照明に対する理解がすでにあり、インテリアの一部として照明器具を買い求められます。そうしたお客様が集まる場所に、hueを販売することで、雰囲気も販売していきたいと考えています。
スターターパックは設置する場所が限られますが、Friends of hueはもっとシンプルに、新しい照明の提案ができるモデルです。いずれもこれ1つで間接照明として使えますから、部屋のあらゆる場所におけます。
ブリッジを介することでインターネットに接続し、スマートフォンから操作できる製品特長はスターターパック同様ですから、タブレットやスマートフォンで色を変えたり、光量を調整したりhueならではの使い方ができます。私たちは間接照明を日本普及させたいという思いが長い間あったので、Friends of hueの発売は念願でした。
日本よりも約半年先行して販売しています。アジアのほかの国でもまだ展開していませんし、超特急で日本に持ってきた感じですね。販売期間はまだわずかですが、手応えはかなり感じていて、間接照明という新市場を生み出せると思っています。
なかでもライトリボンは、切って貼れる照明器具なので物珍しさからも引き合いが高いようです。欧米はDIYがかなり盛んなので、こういうタイプの照明器具は珍しくありませんが、日本は間接照明自体がまだ新しいので、切り貼りできる機能性も注目をあびているのだと思います。
実は日本におけるコンシューマ向け照明はhueが初導入になります。業務用は取り組んでいたのですが、今後はコンシューマもやるべきだと認識できたのは非常に大きいですね。
加えて、Apple StoreやAmazon.co.jpなど、今まで持っていなかった販売チャネルとパイプができたことも幸運でした。先方もグローバルで運営されている企業なので、日本でも世界でもプレゼンスができたと思います。
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