日本マイクロソフトは6月18日、アニメーション制作会社のプロダクション・アイジー(Production I.G)とのコラボレーションによる、 Internet Explorer 11(IE 11)でサポートするWebGLを活用した3Dウェブゲーム「翠星のガルガンティア~キミと届けるメッセージ~」をリリースした。利用料金は無料。ゲームだけではなくソースコードの一部も公開している。
本作は、2013年4月より放送されたテレビアニメ「翠星のガルガンティア」をテーマにしたフライトゲーム。プレイヤーは主人公のレドとなって、ヒロインのエイミーから紹介されたメッセンジャーの仕事として、相棒ロボットのチェインバーの指示を受けながらサーフカイトという乗り物を操縦する内容。大海原を進むガルガンティア船団の上空を自由に飛び回ることができる。またストーリーパートでは、アニメスタッフが手がけた新規シナリオかつ、レドやエイミーたちはフルボイスで収録している。ちなみに音声は日本語のみだが、英語の字幕が表示される英語版もあるという。
対応するブラウザはIE 11のほか、Gamepad APIに対応したブラウザ、WebGLに対応しているブラウザであれば利用可能で、マウスとキーボードによる操作もできるが、IE 11であればタッチパネルに最適化しているため、それを利用すると直感的な操作で楽しめることも特長としている。
この日、Production I.Gが運営する「武蔵野カンプス」にて完成披露会を実施。そのなかで登壇した日本マイクロソフトのプロダクトマネージャーを務める内河恵氏によれば、本作は、IEを活用したさまざまなデモを通じて、ウェブを変革するエクスペリエンスの実現を目指すマイクロソフトのRethinkシリーズ最新作かつ、日本発のコンテンツとしては初めてのものだという。開発者がより簡単に3Dウェブコンテンツを作れるようにするための参考事例として開発したものとしている。
開発にはイギリスのゲームデベロッパーであるTurbulenzと手を組み、オープンソースの「Turbulenz Engine」を使用。このエンジンは、JavaScriptとTypeScriptで実装された、2Dや3Dゲーム開発のためのエンジンとしている。
そしてゲームのリリースにあわせて、ソースコードの一部(アドベンチャーパート、ボイスデータ、BGMデータを除く)と3Dモデルを公開した。このソースコードと3Dモデルを活用することで、オリジナルのゲームも開発できるという。
今回のコラボレーションの経緯について、日本マイクロソフトがRethinkシリーズについてパートナーとなる企業を探していたところ、Production I.Gで本作のプロデューサーを務める平澤直氏の友人が同社に勤めていたことから、話が持ち込まれたことがきっかけだという。平澤氏は翠星のガルガンティアについて、世界観が魅力の作品としながらも、アニメ本編では空からガルガンティア船団を眺めるカットというのがほとんどなかったとし「ファンにとっても今まで見たかった光景が見られ、自分が操作できるという魅力を感じて推進した」と語った。ゲームについては、たとえば気流に乗ると上昇する、左右に旋回すると揚力が落ちるため機首が下がるといった細かいこだわりがあることも明かし、西河氏もグラフィックの色合いや表現の監修もかなり細かく指摘されたとのことで「それだけ自信のある表現ができた」と語った。
ちなみに、本作の成績によってDMMオンラインゲームでサービス予定の「翠星のガルガンティア ONLINE」で使用できるコードがもらえる連動施策があることや、2014年秋から展開される新作OVAシリーズについて、9月27日から全国10館の劇場で上映会を行うといったことについても発表されていた。
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