将来「iOS 8」搭載の「iPhone」または「iPad」でショッピングをすると、クレジットカード情報をスキャンして決済することができるようになるかもしれない。
Appleが米国時間6月2日にWorldwide Developers Conference(WWDC)で発表した「iOS」の次期バージョンでは、内蔵カメラでクレジットカードをスキャンするという新しい機能が「Safari」に追加されると、9to5Macが報じている。情報を入力する代わりに、「Scan Credit Card」(クレジットカードをスキャン)というオプションが表示されるという。カメラが撮影したクレジットカード画像が、内蔵の光学文字認識(OCR)機能によってテキストに変換される。
OCR変換が正確に行われるとすれば、この処理によって、クレジットカードデータをすべて手動で入力するという面倒な作業の時間が短縮されるのは間違いない。しかし、それでもAppleは、モバイル決済の分野全般で後れをとっている。
同社はまだ近距離無線通信(NFC)をサポートしていない。NFCは携帯端末による決済を可能にする技術で、「Android」ではかなり以前からサポートされている。Appleは、2012年の「Passbook」アプリ導入で、デジタルウォレットの概念を少し取り入れたが、それ以来、この技術をあまり進歩させていない。
モバイル決済とデジタルウォレットの分野は全般的にまだ開発途上にあり、さまざまな製品やメーカーが参入しているものの、実質的な標準化はなされていない状態にある。消費者はまだ、携帯端末による決済手段としてのNFCにさほど高い関心を寄せていない。プロセスがまだ十分に簡素化されていないことがその大きな理由だ。
しかし、Appleなどの主要メーカーが取り組みを強化し、この分野をさらに前進させれば、消費者による関心が高まり、採用が進む可能性がある。AppleはWWDCで、「Touch ID」センサをサードパーティー開発者に公開すること(開発者は同技術をデジタルウォレットや財務関連アプリに利用できる可能性がある)以外に、モバイル決済については多くを語らなかった。おそらく同社は、2014年後半に次世代の「iDevice」(iが付くApple製品)を発表する際には、さらなる情報を用意していることだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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