新MacBook Airレビュー(1)--クラウド時代のPC移行、新たなMacへの乗り換え方

 筆者は普段から、2012年モデルのMacBook Pro 15インチRetinaディスプレイモデルを使用している。これ以外に自宅やオフィスで利用しているパソコンはなく、家でも仕事場でも、出先でも、同じMacBook Pro1台だけを使っている。

MacBook Pro15インチモデルとMacBook Air11インチモデルの比較
MacBook Pro15インチモデルとMacBook Air11インチモデルの比較

 ノートPCの性能が向上したことや、移動しながら仕事をするスタイルを取り入れている人が増えたことから、持ち運べるノートパソコン1台だけで仕事をしている、という方も多いのではないだろうか。もっとも、筆者が使っているMacBook Proは15インチモデルで、軽くなったとはいえ重量は2kg以上はあり、重たい部類に入るようになった。

 今回Appleから、最新版のMacBook Air 11インチモデルの貸し出しを受け、東京に出張していた5月11日から15日までをこのマシンとともに過ごした。その間のインプレッションを4回に分けてお届けする。

 まずはフル環境だったMacBook Proから、一時的にメインマシンとして利用するMacBook Airへの環境移行のしかたからスタートしよう。

アップデートされたMacBook Air

 Appleは4月29日に、Macシリーズの中でも主力となる超薄型ノートMacBook Airをアップデートした。目玉となるのは高速化されたプロセッサHaswell Refreshと、値下げされた価格だ。

厚さは1.8cm(下)と1.7cm(上:最厚部)だが、より薄く見える工夫がされている
厚さは1.8cm(下)と1.7cm(上:最厚部)だが、より薄く見える工夫がされている

 2013年6月のWWDCでHaswellを搭載したMacBook Airシリーズを発表し、OS X Mavericksと連携して11インチモデルで9時間、13インチモデルで12時間のバッテリライフを実現。軽量のノートブック型Macとしての魅力がさらに増した。バッテリライフ、デザイン、大きさ、重量などは全く変わらず、これまでのものを踏襲したのが今回のアップデートだ。

 ニュースリリースで、Appleのワールドワイドマーケティング担当上級副社長、フィル・シラー氏は、「MacBook Airが8万8800円から手に入るなら、Mac以外を選ぶ理由はありません」とコメントしている。この価格は税抜価格を指しており、税込みでは9万5904円となる。しかし、確かに過去のMacの歴史に照らし合わせてみても安く、なんとセルラーモデルのiPad Air 64Gバイトモデル(ソフトバンクでのオンライン販売価格は8万8320円)と数百円しか変わらなくなった。価格面でMacBook AirとiPadが競合するようになるとは思わなかった。

価格は安く、よりパワフルになったMacBook Airと2年前にその3倍ほどの価格で購入したMacBook Pro
価格は安く、よりパワフルになったMacBook Airと2年前にその3倍ほどの価格で購入したMacBook Pro

 MacBook Air発表時のシラー氏のコメントに、「多くの方々にパーフェクトなノートブックを体験していただけます」とあった。今回レビューしようと思ったのは、最も安いモデルで、2年前にその3倍ほどの価格で購入した自分のマシンと比べてどうか、あるいは筆者のように、メインマシンとしてMacBook Airを選ぼうと考えている人にとって本当にパーフェクトなのか、ということを知りたかったからだ。

 なお、筆者の普段の環境は、MacBook Pro 15インチRetinaディスプレイモデル(MID 2012)だ。スペックはCore i7 2.6HGz(Sandy Bridge)、8Gバイトのメインメモリ、512Gバイトフラッシュストレージ、そしてグラフィックスはIntel HD Graphics 4000とNVIDIA GeForce GT 650Mを搭載している。

 比較したMacBook Airのスペックは、Core i5 1.4GHz(Haswell Refresh)、4Gバイトのメインメモリ、128Gバイトのフラッシュストレージ、グラフィックスはIntel HD Graphics 5000を搭載している。

驚くほど変わらない外観

左右に、MagSafe2、USB×2、ヘッドフォンジャック、デュアルマイク、Thundarboltポートが振り分けられており、最低限の拡張性・接続性が用意されている
左右に、MagSafe2、USB×2、ヘッドフォンジャック、デュアルマイク、Thundarboltポートが振り分けられており、最低限の拡張性・接続性が用意されている

 MacBook Airは、最も薄い箇所が0.3cm、最も分厚い場所でも1.7cmで、鋭い刃物のように尖った印象を与える薄型デザインのノートPCだ。厚みはディスプレイサイズにかかわらず共通で、11インチ、13インチモデルが用意されている。11インチモデルは1.08kgで、筆者が現在使っているMacBook Proの2.02kgのおよそ半分だ。

 現在筆者が使っているRetinaディスプレイモデルのMacBook Proは厚さ1.8cmと一定になっており、MacBook Airの方がより薄く見える演出が施されている。

 側面の限られたスペースには、左右に、MagSafe2、USB×2、ヘッドフォンジャック、デュアルマイク、Thundarboltポートが振り分けられており、最低限の拡張性・接続性が用意されている。また小さな筐体ながら、ステレオスピーカーを内蔵している点も、動画再生などを意識した仕様になっている。

 しかしこれらのデザイン要素は、第2世代目となるMacBook Airになって以来、変わっていない特徴だ。例えば11インチモデルで、MacBook Proのようにキーボードのイルミネーションが内蔵されたり、マイクがデュアル化されたりしてよりクリアな音声入力ができるようになるといった細かい変更があった以外は、新しさはない。MacBook Airがデザインのスタンダードになったといえる。

 面白いのは、15インチのMacBook Proと11インチのMacBook Airで、筐体の角の丸め方が同じである点。サイズが違うが、角は同じ半径の曲線に統一されており、大きく違うサイズの中で違和感が少なく感じる理由かもしれない。

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